第5世代(5G)移動通信システムが2020年代の通信を支える : 福田昭のデバイス通信(209) 2019年度版実装技術ロードマップ(20) (2/2 ページ)
第2世代(2G)から第4世代(4G)までの移動通信システムの開発では、通信の高速化と大容量化に重点が置かれてきた。これに対して第5世代(5G)の移動通信システムでは高速化とともに、通信の遅延時間を短くする「低遅延」と、同時に接続する機器数を増やす「多数同時接続」の2つの特長を備える。
第5世代(5G)の移動通信システムでは通信速度が10倍に高まり、通信の遅延時間は10分の1に短くなり、同時接続数(単位面積当たり)は10倍に増加するとされる。具体的には、通信速度は4Gの1Gビット/秒から5Gでは10Gビット/秒に向上し、遅延時間は4Gの10ミリ秒から5Gの1ミリ秒へと短縮され、同時接続数(平方キロ当たり)は4Gの10万台から5Gの100万台へと増加する。
第5世代(5G)移動通信システムの概要 出典:総務省総「第5世代移動通信システムに関する公開ヒアリング資料」(2018年10月3日公表) (クリックで拡大)
低遅延と多数同時接続により、5G移動通信システムは応用範囲を広げる。遠隔地からリアルタイムの制御を実行したり、IoT端末と無線センサー端末のバックボーンとして機能したりすることが期待される。
(次回に続く )
3G〜5Gも1台でOK!超広帯域GaN増幅器
三菱電機は「CEATEC 2019」(幕張メッセ、2019年10月15〜18日)で、3G〜5G(第5世代移動通信)まで複数の周波数帯に1台で対応できる「超広帯域デジタル制御GaN(窒化ガリウム)増幅器」などを展示した。従来周波数帯ごとに必要だった増幅器を1つにまとめることで、設置スペースやコスト削減につなげる。同社は、5Gの帯域が逼迫した際に3G、4Gに切り替えるなど、5Gの普及後に想定される、新たな運用での利用を狙っている。
主要メーカーの5Gモデムが出そろう、量産も本格化
米国の「CES」に相当する欧州最大の家電展示会「IFA2019」(2019年9月6〜11日)がドイツのベルリンで開催され、Huawei、Samsung Electronics(以下、Samsung)、Qualcommの各社が5G(第5世代移動通信)モデムを統合したモバイルプロセッサを発表した。
TSMC、5G好調で設備投資150億米ドルに引き上げ
TSMCは、5G(第5世代移動通信)スマートフォンおよび関連ネットワーク機器の見通しが改善されたことを受け、2019年の設備投資額を150億米ドルに引き上げたことを明らかにした。
間近に迫る5G商用サービスをデモ展示で体感
ノキアソリューションズ&ネットワークス(NSN)は、テクノロジーイベント「Connected Future 2019〜到来する5G時代とデジタル社会〜」を、東京都内で開催した。
5Gプレサービス開始、20年6月には基地局全国展開
NTTドコモ(以下、ドコモ)が2019年9月20日、5G(第5世代移動通信)プレサービスを開始した。同年9月18日に行われた記者発表会で、同社社長の吉澤和弘氏は「このプレサービスが、5Gの商用サービスへとつながる実質的なスタート」だと強調した。
「5G基地局の出荷は順調」、Huaweiが強調
Huaweiは2019年9月初めに、中国 成都で開催した第5回目となる「Innovation Asia Day」において、同社の5G(第5世代移動通信)対応基地局の世界出荷数量が20万台に達したと発表した。また、現在までに締結した5G基地局関連の契約は、50件に上るという。
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