電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」の概要をシリーズで伝えている。今回から「第5世代(5G)移動通信システム」の内容を説明していく。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第20回である。
本シリーズの第15回から、ロードマップ本体の第2章第5節に当たる「新技術・新材料・新市場」の概要を紹介している。「2.5 新技術・新材料・新市場」には、「2.5.1 サーマルマネジメント(熱管理)」と「2.5.2 マイクロLED」、それから「2.5.3 5G移動通信システム」の3つ項目がある。前々回と前回は、次世代フラットパネルディスプレイ(平面パネルディスプレイ)のキーデバイスである「2.5.2 マイクロLED」の概要を紹介した。今回から、「2.5.3 5G移動通信システム」の内容を説明していく。
第5世代(5G)移動通信システムについては、本シリーズの第4回でごく簡単に触れた。ロードマップでは第2章第2節第1項の「2.2.1 情報通信概要」に相当する。そこで始めは「2.2.1 情報通信概要」の中で5G移動通信システムに関する部分を、もう少し詳しく説明しておこう。
移動通信システム(移動体通信システム、携帯電話システム)は1980年代の第1世代(1G)から始まり、1990年代の第2世代(2G)、2000年代の第3世代(3G)、2010年代の第4世代(4G)とほぼ10年ごとに世代交代を繰り返してきた。この間に最大通信速度は第1世代の10Kビット/秒から第4世代の1Gビット/秒へと、約10万倍に向上した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.