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エイブリック、ZCL検知方式のホールICを販売ブラシレスDCモーター向け

エイブリックは、ZCL(Zero Crossing Latch)技術により、極性変化を高い精度で検出できるホールIC(磁気センサー)「S-576Zシリーズ」の販売を始めた。

» 2019年11月20日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

モーター開発者が抱える課題を解決

 エイブリックは2019年11月、ZCL(Zero Crossing Latch)技術により、極性変化を高い精度で検出できるホールIC(磁気センサー)「S-576Zシリーズ」の販売を始めた。ロボットや電動工具などに搭載されるブラシレスDCモーターの制御用途に向ける。

 ZCL技術は、磁束密度(磁場)の極性が変化する点(ゼロクロスポイント)を検知して、出力電圧レベルを切り替える方式。これまでの片極検知や交番検知とは異なる方式で、従来に比べて極性変化を高い精度で検出できるのが特長。磁石と組み合わせることで、さまざまな機器の回転検出が可能だという。

ZCL検知と交番検知による出力信号の違い (クリックで拡大)出典:エイブリック

 S-576Zシリーズを用いれば、ブラシレスDCモーターの設計段階で行ってきた、さまざまな公差計算の負荷を軽減できる。製造工程においてはキャリブレーション作業の負担も減らすことができるという。モーター開発者が抱える課題を解決するための製品と位置付ける。

 主な仕様はモーター内部への実装を想定した特性となっている。例えば、電源電圧範囲は2.7〜26.0Vと広い。これによって、モーターの回転開始や停止時でも、安定したセンサー信号を出力することができる。静電気耐性も高めた。さらに、オプションのプルアップ抵抗を内蔵すれば、センサー信号出力の立ち上がり/立ち下り遅延時間を短縮することができる。センサーの取り付け位置によっては、交番検知方式を用いたブラシレスDCモーターと比べ、消費電力を15%超も低減することが可能だという。

 S-576Zシリーズは、動作温度範囲が−40〜125℃。パッケージは外形寸法が2.9×2.8×0.8mmのTSOT-23-3Sで供給する。サンプル価格は購入数量によって異なる。例えば、100個購入時の単価は100円である。

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