NXPジャパンは、S32G(S32G274A)を使って、イーサネットパケットアクセラレーターの効果を示すデモを行った。
デモではパケット送信用と受信用に2台のPCを用意。送信用のPCでUDP(User Datagram Protocol)のパケットを生成し、1Gビット/秒(bps)の帯域をフルに使って送信する。送信側と受信側の間にS32Gを搭載した評価ボードを設置し、イーサネットパケットアクセラレーターをオン/オフできるようにした。アクセラレーターがオフの時にはCPU(Cortex-A53)でパケットを処理し、オンの時にはアクセラレーターで処理をする。

左=イーサネットパケットアクセラレーターがオフの時(=CPUがパケットを処理している時)のCPUの負荷。コアによっては8割近くの負荷を使用していることが分かる/右=アクセラレーターをオンにした時のCPUの負荷。いずれのコアも1%前後と、負荷が大幅に減っている(クリックで拡大)NXPは2017年に、車載向けプラットフォームを一新し、S32を発表した。車載システムのアーキテクチャが「機能ドメイン型*)」に移行する中、ソフトウェア開発期間の短縮やハードウェアの拡張性などを提供するためだ。同プラットフォームのマイクロコントローラー(MCU)/マイクロプロセッサ(MPU)はArmベースで、40nmや16nmプロセスを採用する。NXPはS32の第1弾製品として、安全走行制御システム向けのハイエンドMPU/MCU「S32S」を2018年6月に発表している。今回発表したS32Gは、S32Sに続く第2弾の製品となる。
*)機能ドメイン型:「コネクティビティ」「パワートレイン」「ボディー」など、システムを構成する領域ごとにコントローラーを設けて、ネットワークに接続されたセンサーやスイッチ類を階層的に管理する仕組み。
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