今回はフィルムコンデンサを解説する。フィルムコンデンサの特性は、誘電体として使われるプラスチック材料によってかなり異なる。代表的な4つの材料を紹介しよう。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第35回である。
本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」の概要を説明している。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。前々回からは「4.1 LCR部品」の第2項「4.1.2 コンデンサ」の概要をご紹介してきた。前回は代表的なコンデンサの1つである「積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitors)」の概要をご説明した。今回は同じく代表的なコンデンサの1つである「フィルムコンデンサ」を解説する。
フィルムコンデンサはその名称の通り、フィルム状のプラスチックを誘電体として利用するコンデンサである。積層セラミックコンデンサと同様に極性がなく、直流回路と交流回路の両方で使われる。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)に比べるとフィルムコンデンサは、温度変化による容量変化が小さい、静電容量が大きい、耐圧が高いという特長を備える。MLCCと比べた弱点は、価格が高いことと、外形寸法が大きいことだ。
ただしフィルムコンデンサの特性は、誘電体として使われるプラスチック材料によってかなり違う。以下にもう少し詳しく説明しよう。
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