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オートモーティブワールド 特集

全ての負荷容量領域で安定動作するオペアンプコンデンサー不要(2/2 ページ)

» 2020年01月28日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
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車速にあわせてリアルな疑似エンジン音を合成

 車両接近通報装置(AVAS)向けとして、ロームグループのラピスセミコンダクタが新たに開発している音声合成LSI「ML2212x」の展示も行われていた。

 ハイブリッド車や電気自動車(EV)などはモーター駆動のためエンジン音がせず、歩行者が気付かずに事故となる危険性あることから、日本を含めた世界でAVASの搭載が義務化されている。その通知音について近年、「リアルなエンジン音」の要求が高まっていることから、同社が開発を進めているのがML2212xだ。

 ML2212xの大きな特長は、そのエンジン音作成の仕組み。自然なエンジン音の変化を表現するためには、車速に合わせた音の変化への対応が求められるが、既存のICでは、入力される車速情報にあわせ、何十段階かの決まった音声を作りこむ必要があったという。一方、ML2212xの内蔵メモリに保存されているのは、1秒未満の身近な疑似エンジン音のみ。検知した車速情報に応じて連続する音の長さや音量などを変えることで、自然な音の変化を作り上げることを実現し、リアルかつ容易な音作りを可能したという。ML2212xは2021年中のサンプル出荷を目指している。

会場では、実際にML2212xを用いたデモを実施。アクセルペダルを押すと、エンジン音が変化していく様子が分かった/右=(クリックで拡大)

 その他、ブースでは、最大2.8W出力の小型スピーカーアンプ「BD783xxEFJ-M」シリーズに関するデモや、ロームが東京大学などと共同開発を行っている第3世代ワイヤレス給電インホイールモーターの展示などを行っていた。

 最大2.8W出力の小型スピーカーアンプ「BD783xxEFJ-M」シリーズに関するデモも展示されていた。従来の方式では、大出力時に負荷電流が保護回路の動作しきい値で制限されてしまい、音割れが発生するという課題があったが、ロームは独自の過電流保護回路によって、音割れのない安定した動作を実現したとしている(クリックで拡大)
右=第3世代ワイヤレス給電インホイールモーター。第3世代は、前世代と比較しユニット小型化すると同時に、1輪当たりのモーター出力も12kWから25kWに向上。より実用性を高めることに成功している/左=この小型化および性能向上に大きく貢献したのがロームが開発している最新のトランスファーモールド型SiC(炭化ケイ素)パワーモジュール(写真内、右)。5kW/cm3の高電力密度で、既存製品の3分の1程度のサイズにしつつ、熱抵抗も38%減を実現している。※右写真は従来のモジュールとサイズ比較している(クリックで拡大)
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