京セラは、シリコンMEMS市場に参入する。独自技術により優れた周波数温度特性とESR(等価直列抵抗)特性を実現した「シリコンMEMSレゾネーター」の製品化技術を確立し、2021年より量産を始める計画である。
京セラは2020年2月、シリコンMEMS市場に参入すると発表した。独自技術により優れた周波数温度特性とESR(等価直列抵抗)特性を実現した「シリコンMEMSレゾネーター」の製品化技術を確立し、2021年より量産を始める計画である。
京セラは、独自の素子設計とドーピング技術を保有するフィンランド発のベンチャー企業であった「Tikitin Oy」を2019年7月に完全子会社化し、「KYOCERA Tikitin Oy」として再スタートさせた。
タイミングデバイスは、電子機器を動作させるため、一定間隔で安定したクロック信号を生成する部品で、極めて重要なデバイスである。これまで水晶振動子などが主に用いられてきたが、機器メーカーからは、さらなる小型化と低背化、高い温度耐性などが求められているという。
そこで京セラは、小型で周波数温度特性に優れたシリコンMEMSレゾネーターの製品化技術を確立、本格的に同市場に参入することを決めた。製品化するシリコンMEMSレゾネーターは、動作温度範囲が−40〜150℃で、周波数温度特性は±25ppmと狭公差を実現している。
また、外形寸法は1.0×0.8mmで小型化にも成功した。一般的に周波数が24MHz品の場合、ESR特性は60Ω以下が要求される。これに対応するには、水晶振動子だと1.6×1.2mmサイズが小型化の限界だったという。これに対して京セラのシリコンMEMSレゾネーターは、1.0×0.8mmの面積で、要求性能をクリアすることができる。面積で比較すると58%の削減が可能となった。
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