三菱電機は、パワー半導体素子と周辺部品を高集積に実装する技術を開発、この技術を用いて電力密度136kW/Lの電力変換器を実現した。
三菱電機は2020年3月、パワー半導体素子と周辺部品を高集積に実装する技術を開発、この技術を用いて電力密度136kW/Lの電力変換器を実現したと発表した。
電力変換器は、パワー半導体素子やコンデンサー、電流センサーなどの部品で構成され、基板上に配置された部品間をワイヤーで配線する。この時、従来技術の構造だと電流経路が長くなる。このため配線のインダクタンスが増大し、スイッチング周波数を高速にすることが難しかった。この結果、リアクトルを小型化することができず、電力変換器も小型にできなかったという。
そこで同社は、パワー半導体素子やコンデンサー、電流センサーを同一基板内に内蔵し、パワー半導体素子とコンデンサーを結ぶ電流経路を極めて短くできる高集積化技術を開発した。この技術によって、電流経路のインダクタンスは1nH以下と、従来の10分の1に低減できるという。
インダクタンスを低く抑えた構造を実現したことで、スイッチング時に生じる電圧の振れを抑制することができ、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体素子の特性を生かした高速スイッチングが可能となる。高周波駆動を可能にしたことで、リアクトルの体積を従来に比べ80%も削減することに成功。電力密度136kW/Lの電力変換器を実現した。開発した電力変換器の外形寸法は24×18×1.7cmである。
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