富士経済は、フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用など静電容量式タッチパネルの世界市場を調査し、2024年までの市場予測を発表した。フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用が市場をけん引する。
富士経済は2020年5月、フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用など静電容量式タッチパネルの世界市場を調査し、2024年までの市場予測を発表した。市場規模は2019年見込みの1兆8708億円に対し、2024年は1兆7067億円と予測した。フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用が拡大する半面、フィルム基板やガラス基板のタッチパネル市場は大幅に縮小する。
今回は、フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用の静電容量式タッチパネルなどタッチパネル4品目の他、タッチパネル用構成部材11品目、フォルダブルディスプレイなどディスプレイ4品目、フォルダブル/フレキシブルディスプレイ用構成部材8品目、そしてアプリケーション5品目を対象に市場を調査/分析し、「2020タッチパネル/フレキシブルディスプレイと構成部材市場の将来展望」としてまとめた。調査は2019年11月〜2020年2月に行った。
静電容量式タッチパネル市場で、今後の市場拡大が期待されるのは、フラグシップモデルのスマートフォンで採用が進む「フォルダブルディスプレイ用」と、ミドルレンジスマートフォンでの搭載が拡大する「フレキシブルディスプレイ用」である。
フォルダブルディスプレイ用は、繰り返し折り曲げたり丸めたりして用いることを前提としているディスプレイ向け製品。市場規模こそ2019年見込みで18億円とまだ小さいが、2024年は46.8倍の842億円に拡大すると予測した。
フレキシブルディスプレイ用は、湾曲形状やフラット形状のディスプレイ向けで、フォルダブルディスプレイ用を除く製品が対象となる。市場規模は2019年見込みの2056億円に対し、2024年は3446億円と予測した。用途別でみると、現在はスマートフォン向けが大半を占めているが、タブレット端末やノートPC、車載ディスプレイなどで狭額縁、曲面、異形などへの対応が求められており、今後の需要拡大に期待する。
一方で、フィルム基板は2019年見込みの5934億円に対し、2024年は3339億円と予測。ガラス基板も同じく1兆700億円に対し、9440億円を予測している。
応用製品も5品目を調査。その中から「車載ディスプレイ」と「フォルダブルディスプレイ搭載端末」の市場について公表した。車載ディスプレイは、「センターインフォメーションディスプレイ(CID)」や「メーターディスプレイ」「ヘッドアップディスプレイ」「ミラーディスプレイ」「リアシートエンターテインメントディスプレイ」などを調査対象とした。2019年見込みの6324億円に対し、2024年予測は8208億円である。「異形ディスプレイ」や「曲面ディスプレイ」などの開発が注目されている。
フォルダブルディスプレイ搭載端末は、Samsung Electronics製「Galaxy Fold」の登場で市場が形成されたという。中国のスマートフォンメーカーやノートPCメーカーなども開発を急ぐ。こうした状況から、市場規模は2019年見込みの2145億円に対し、2024年には6兆3000億円と、29.4倍に拡大すると予測した。
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