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スマートフォンと車載情報機器の進化を支えるタッチパネル(中編)福田昭のデバイス通信(252) 2019年度版実装技術ロードマップ(60)

今回は、タッチパネルの構造を解説する。タッチパネルの構造は「外付け型」と「内蔵型」に大別される。

» 2020年06月24日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

ディスプレイを進化させるタッチパネル

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第60回である。

 本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」の概要を説明してきた。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。

 第57回からは、「4.5 入出力デバイス」の概要を紹介してきた。「4.5 入出力デバイス」が取り上げる入出力デバイスは主に3つ。「ToF(Time of Flight)デバイス」と「タッチパネル」「車載用HMI(Human Machine Inteface:ヒューマン・マシン・インタフェース)デバイス」である。第58回(前々回)は「ToF(Time of Flight)デバイス」の概要と市場・技術動向を説明した。前回と今回、そして次回では、タッチパネルの概要と市場動向、機能・技術動向を解説する。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」(プログラムの8番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)
第4章第5節「4.5 入出力デバイス」の目次。ロードマップ本体から筆者が書き出したもの。なお下線部は、前回と今回で説明する部分を指す(クリックで拡大)

 前回では、タッチパネルとはどのようなものか、タッチセンサーの検出方式にはどのようなものがあるか、を説明してきた。今回はタッチパネルの構造による分類と利害得失を解説する。

タッチパネルの構造と利害得失

 タッチパネルの構造には大別すると、ディスプレイにタッチセンサーを外付けする方式(「外付け型」)と、ディスプレイがタッチセンサーを内蔵する方式(「内蔵型」)に分かれる。外付け型は「アウトセル(Out-Cell)型」とも呼ばれる。外付け型にはコストが低い、ディスプレイ技術を選ばない、大型化しやすいという特長がある。ディスプレイには液晶(LCD)パネルや有機EL(OLED)パネルなどが使われる。

 内蔵型には「オンセル(On-Cell)型」と「インセル(In-Cell)型」がある。構造が複雑で製造コストは高くなるものの、透過率が高い、タッチパネル全体が薄く軽いといった特長を備える。

 内蔵型はふつう、液晶(LCD)パネルをディスプレイに使う。液晶パネルは基本的に、液晶セルアレイを2枚のガラス基板(1枚はカラーフィルターと電極付き、もう1枚は薄膜トランジスタ回路付き)で挟み、さらにその外側に偏光板を取り付けた構造である。ここで「オンセル型」は、ガラス基板(カラーフィルター付き)と偏光板の間にタッチセンサーを挿入した方式、「インセル型」は2枚のガラス基板と液晶セルにタッチセンサーを組み込んだ方式を指す。インセル型は原理的に最も薄く軽いタッチパネルを実現できる。ただし構造が複雑なので、大型ディスプレイには対応しづらい。

「インセル型」タッチパネル(静電容量方式)の例。ジャパンディスプレイが開発した(開発技術名は「Pixel Eyes」)。大きさは5型クラス。解像度はWQHD(横1440×縦2560画素)と高い。出典:ジャパンディスプレイの2015年3月2日付ニュースリリース

後編に続く

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