FinFETやGAAにも適用可能なエアスペーサー形成技術 : VLSIシンポジウム 2020 (2/2 ページ)
CEA-Letiは、FinFET技術の代替となる、新しいGAAナノシートデバイスの作製デモを披露した。低消費電力、高速動作によるデータ収集と処理が可能な、スマートフォンやノートPC、モバイルシステムなどのHPCアプリケーションをターゲットとする。
研究グループが今回作製した、7層のシリコンチャンネルを積層したGAA NSトランジスタは、チャネル幅が15nm〜85nmで、既存の最先端技術と比べて2倍以上の性能を実現するという。その研究成果に関する詳細は、論文「7-Levels-Stacked Nanosheet GAA Transistors for High Performance Computing(HPC向け7層積層GAA NSトランジスタ)」にまとめられている。
論文の著者の1人であるCEA-Letiの科学者、Sylvain Barraud氏は、「置換メタルゲート、インナースペース形成、SACを用いて作成した7層構造の積層ナノシートGAAトランジスタは、極めて高い電流駆動能力(Vdd=1Vで3mA/μm)を持つ優れたゲート制御性を示し、2層構造のナノシートGAAトランジスタと比較して、ドレイン電流が3倍向上している」と説明した。
CEA-Letiが披露した7層構造のナノシートGAAトランジスタの電子顕微鏡写真 画像:CEA-Leti(クリックで拡大)
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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