車載カメラや監視カメラなどの用途では、暗い撮影環境においても、高い認識性能が求められている。こうした要求に応えるため、イメージセンサーのRAW画像を活用した深層学習「Learning to See in the Dark」などが注目されている。ところが、この学習には、20万枚以上の画像や150万個以上の物体ラベル(教師情報)など、膨大なデータセットを追加する必要があった。
「Learning to See in the Dark」とRAW画像認識の課題 (クリックで拡大) 出典:ソシオネクスト
開発したドメイン適応手法を用い、極暗所で撮影したRAW画像による物体検出モデル「YOLO(You Only Look Once) in the Dark」を構築した。この結果、既存のYOLOモデルで画像の明度補正をしても検出できなかったものが、RAW画像を直接認識することにより正常に検出できた。しかも、認識に必要な処理量は、従来モデルを組み合わせる時の約半分で済むという。
左は既存のYOLOモデル+明度補正、中央はYOLO in the Darkにより正常に検出、右は従来モデルを組み合わせた検出例 (クリックで拡大) 出典:ソシオネクスト