「SEMI SMT-ELS」(JARAS1014/ELS)技術仕様の導入により、従来技術「SMEMA」では不可能だった複数の機能が実装ラインで活用可能になる。設備(装置)間でプリント基板データを送受信する、プリント基板の品種(機種)を一括して切り替える、プリント基板の品種を基板に同期して逐次に切り替える、検査機が取得したデータと連携する、設備(装置)とホスト間で通信する、といった機能である。
まとめると、設備(装置)とホストの通信によってネットワークを設定するとともにプリント基板の経路を設定し、設備(装置)間の通信によって品種の一括切り替えとプリント基板データの参照モード設定を実施し、プリント基板の実物とプリント基板のデータを同期して転送することによって品種の逐次切り替えとプリント基板のハンドオフ(一時停止と例外処理)を実施している。
また、従来のSMEMA規格のみに対応した実装設備はSEMI SMT-ELS規格の実装ラインに組み込める。仮想SMASHコントローラーと呼ぶ制御回路を介してSMEMAの信号と実装設備のデータをやりとりする。
SMEMA規格のみに対応した実装設備(実装マシン)をSEMI SMT-ELS規格の実装ラインに組み込む方法。「Virtual SMASH Controller(仮想SMASHコントローラー)」と呼ぶ制御回路を介してSMEMA対応マシンを接続する。出典:SEMI Japan(注:この図面は実装技術ロードマップには掲載されていない)(クリックで拡大)なお、今回をもってシリーズ「2019年度版実装技術ロードマップ」を完結させたい。長期間に渡るお付き合いに深く感謝する。繰り返しになるが、「2019年度版実装技術ロードマップ」の本体はJEITAのWebサイトから購入できる。目次詳細は無料で閲覧できるので、ご興味のある向きは参照されたい。
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
実装設備間の次世代通信規格「SEMI SMT-ELS」(前編)
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