「2019年度版実装技術ロードマップ」解説の最終回となる今回は、前回に続き実装設備間の次世代通信規格「SEMI SMT-ELS」について説明する。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第87回である。
本シリーズの第73回からは、第6章「実装設備」の概要をご説明してきた。前回(第86回)と今回は、第6章第7節「実装設備のトピックス(設備間通信規格SEMI SMT-ELSの紹介)」の概要を前後編でお届けしている。
「SEMI SMT-ELS」(JARAS1014/ELS)規格は、前回でも述べたように、従来規格「SMEMA(IPC-SMEMA-9851)」を置き換えるとともに、データ通信機能を大幅に強化した標準技術仕様である。
設備間(装置間)の通信インタフェースには、半導体製造装置・材料ベンダーの業界団体SEMIが策定した汎用の製造装置間通信インタフェース「SEMI A1 PESCI(Production Equipment Smart Connection Interface)」を流用した。このインタフェースは、プリント基板データの送受信、装置(設備)間のポイント・ツー・ポイント通信とメッセージ転送、装置(設備)とホストの通信、ローカルホストとグローバルホストの通信、などをサポートする。
通信ネットワークのハードウェアには、電子装置で最も普及しているイーサネット(IEEE 802.3)を採用した。イーサネットのTCP/IP通信プロトコルとSEMI A1を接続するためのソフトウェアとして「SEMI A1.1 Specification for TCP/IP Interface for PESCI」を用意している。
これらA1/1.1層の上に、表面実装設備間でメッセージと振る舞い(ビヘイビア)をやりとりするインタフェース「SEMI A2 SMASH(Surface Mount Assembler Smart Hookup)」が載り、さらにその上に表面実装設備(装置)のアプリケーションが載る。
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