総務省、「6G」見据え戦略センターを年内にも設置:産官学での連携促す
総務省は2020年11月27日、情報通信研究機構(NICT)と協力し、6G(第6世代移動通信)の早期立ち上げと展開を目指すべく「Beyond 5G 新経営戦略センター」を年内にも設置すると発表した。これに合わせて同年12月10日にキックオフを予定している他、同センターの会員募集も開始した。
総務省は2020年11月27日、情報通信研究機構(NICT)と協力し、6G(第6世代移動通信)の早期立ち上げと展開を目指すべく「Beyond 5G 新経営戦略センター」を年内にも設置すると発表した。これに合わせて同年12月10日にキックオフを予定している他、同センターの会員募集も開始した。
Beyond 5G 新経営戦略センターは、総務省が2020年6月に公表した「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ」に基づき、産学官が共同して戦略的に知財の取得や標準化に取り組めるようにすることを目的とする。
今後の主な活動は、
- 国内外の最新動向を踏まえた、具体的な取り組み方針の検討
- Beyond 5Gに関わるプレイヤー間でのパートナーシップ形成の場の提供
- 標準化や知財に関わる専門家データベースの構築、アドバイザーの派遣
- 人材育成のためのワークショップ開催
などを予定している。
「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ」で公表された、Beyond 5Gに求められる機能 出典:総務省「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ」(クリックで拡大)
Beyond 5G推進戦略のロードマップ 出典:総務省「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ」(クリックで拡大)
Beyond 5G 新経営戦略センターの共同センター長は、東京大学 大学院 工学系研究科教授の森川博之氏と、同経済学研究科教授の柳川範之氏が務める。
日本ではことし(2020年)が「5G元年」とされているが、世界では既に6Gを見据えた競争が始まっている。フィンランドでは2019年3月に「6G Wireless Summit」が開催され、各国の研究者が発表を行った。
- 高まる6Gへの関心、テラヘルツ波利用も視野
ドナルド・トランプ米大統領は2019年2月21日(米国時間)、「米国企業は6G(第6世代移動通信)実現に向けた取り組みを強化しなければならない」とツイート。米国連邦通信委員会(FCC)は、95GHzと3THzの周波数の利用に向けて、新しいカテゴリーとなる実験用ライセンスを作成した。
- 勢力図が変わり始めたRAN市場
モバイル通信市場の中でも、特にRAN(Radio Access Network)市場は、これまで長期間にわたり、比較的動きの遅い複雑な分野であるとされてきた。しかし今や、その状況は全く変わってしまった。ここ最近で、大きな動きがいくつもあったからだ。
- NXPのPAモジュール、楽天5G基地局向けに採用
NXP Semiconductors(以下、NXP)とNECは2020年10月13日、NXPが開発したパワーアンプモジュールの新製品が、NECと楽天モバイルが共同開発したMassive MIMO 5Gアンテナ無線子局(RU)に採用されたと発表した。
- 多様な5G要件に対応、柔軟性を備えたXilinx「RF SoC」
Xilinxは2020年10月27日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)基地局向けに「Zynq RF SoC DFE」を発表した。従来品ではソフトIP(Intellectual Property)としてFPGAファブリックに搭載していたデジタルフロントエンド(DFE)機能を、ハードIPとして搭載したことが特長となっている。ハードIP化したことで、演算性能の向上と消費電力の低減を実現した。
- 30Gbpsの通信速度、「Wi-Fi 7」の実用化は2024年か
IEEE 802標準化委員会は、無線LANの次の段階に向けた規格の最終調整に入るなど、順調な進捗を遂げている。ワーキンググループは最近、「IEEE 802.11be(以下、802.11be)」と呼ばれる技術基準について詳細を発表したところだが、これが予定通り2024年後半に実用化されることになれば、「Wi-Fi 7」に指定される見込みだ。
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