住友電気工業は、枚葉式半導体成膜装置向けの高精度温度分布制御システム「SumiTune(スミチューン)」を開発した。ウエハー成膜工程における面内の温度分布の高均熱化を実現しており、成膜の生産性と膜厚均一性の両立を可能にした。
住友電気工業は2021年2月、枚葉式半導体成膜装置向けの高精度温度分布制御システム「SumiTune(スミチューン)」を開発したと発表した。ウエハー成膜工程における面内の温度分布の高均熱化を実現し、成膜の生産性と膜厚均一性の両立を可能にした。
高純度の薄膜形成を行うことができる熱CVD用途の半導体成膜装置は、その処理方法によって大量のウエハーを同時処理する「バッチ式」と、ウエハーを1枚ずつ高速に処理する「枚葉式」に分かれている。
近年は半導体プロセスが一層複雑になり、高速処理を強みとする枚葉式装置が注目されているという。同時に成膜の品質向上が求められ、枚葉式装置では成膜処理中のウエハー面内における、温度分布の均一性向上が不可欠になった。
従来のウエハー加熱用枚葉式ヒーターは、同心円状のゾーンに区分けして制御している。このため、周方向の微妙な温度分布ムラをカバーすることができなかったという。そこで同社はSumiTuneを開発した。6ゾーンに分けたヒーター「SumiTune Heater」と、このゾーンを効率よく、高い精度で電力制御するためのコントローラ「SumiTune Controller」からなる。
SumiTuneは、ウエハー全面の温度分布が±0.5℃レベル(500℃時)と均一性に優れている。しかも、1Wレベルで各ゾーンの電力を調整することができるため、不均質な成膜分布の微調整も可能である。さまざまな環境に対応するためのチューニングも容易で、搭載機器を開発する期間やコストを節減できるという。
同社によれば、複数の半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカーが既に、量産品への採用に向けてSumiTuneの評価を始めているという。
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