車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場(容量ベース)は、2020年の167.5GWhに対し、2030年は764.4G〜1809.2GWhに拡大する。矢野経済研究所が調査し、市場規模を予測した。
矢野経済研究所は2021年3月、車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場を調査し、その結果を発表した。容量ベースでは2020年の167.5GWhに対し、2030年は764.4G〜1809.2GWhに拡大すると予測した。
今回の調査は、乗用車と商用車のマイルドハイブリッド車(SSV、12V、48V)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)に搭載されるLiBを対象にした。2020年まではxEV(HEV、PHEV、EV)メーカーの出荷台数ベースで、2021年以降はxEVの生産台数ベースで、LiB容量をそれぞれ算出した。調査期間は2020年8月〜2021年2月。
2020年は、xEV市場の拡大により車載用電池需要も増えた。2019年に比べて容量は25.9%の増加となった。タイプ別にみるとHEV向けは同20.3%増の2.36GWh、PHEV向けは同83.6%増の17.0GWh、EV向けは同21.6%増の148.1GWhとなった。
コロナ禍で2020年の自動車市場全体はマイナス伸長となる中、世界的に環境対応車の普及が加速しており、xEV向けのLiB需要は2020年も前年を大きく上回った。各国/地域によって環境規制とその対策に違いはあるが、今後は世界市場で環境対応車の普及率が高まる見通しだ。
今回の調査では、xEVを取り巻く市場の環境を考慮し、車載用LiB世界市場(容量ベース)の将来について、成長率が高い「政策ベース」と、成長率を抑えた「市場ベース」という2つのシナリオで予測した。
政府や自動車メーカーなどの計画に基づく政策ベースの予測では、2025年は835.1GWh、2030年には1809.2GWhと高い伸びにした。一方、消費者側のニーズなどを考慮した市場ベースでは、2025年に422.9GWh、2030年は764.4GWhと予測した。
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