3D NANDフラッシュの高層化はしばしば、高層ビルディングに例えられる。対するプレーナー(2D)NANDフラッシュはさしずめ、平屋あるいは低層のアパートメントだろうか。
2D NANDフラッシュの高さは、1μmに満たない。これに対して3D NANDフラッシュは24層〜32層で既に3μm前後と、大規模半導体集積回路(LSI)としては異常な高さに達していた。64層は5μm前後、72層は6μm前後とさらに高層化する。96層は7μm前後に達する。
高層化は、メモリセルを縦方向に接続する孔(「メモリスルーホール」と呼ぶ)の形成を著しく難しくする。このため、メモリスルーホールの形成を2段階で実施するプロセスが採用されている。例えば64層であれば、32層のスルーホールを2回形成する工程に分ける。
なおSamsungだけは、メモリスルーホールの形成を1回で済ませている。同じ積層数でも、Samsungの3D NANDはあまり高くない。特に92層と128層では、他社に比べて低い。メモリスルーホール作成の難しさを緩和していることがうかがえる。
(次回に続く)
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