TDK、マルチホールアレイ内蔵の電流センサー発表 : xEV用バッテリー監視などに最適
TDKは、子会社のTDKミクロナス製品として、マルチホールアレイを内蔵した高精度の電流センサー「CUR4000」を発表した。電動車(xEV)用バッテリー監視などの用途に向ける。
TDKは2021年4月、子会社のTDKミクロナス製品として、マルチホールアレイを内蔵した高精度の電流センサー「CUR4000」を発表した。非侵入型、ガルバニック絶縁対応の非接触電流測定が可能であり、電動車(xEV)用バッテリー監視などの用途に向ける。
CUR4000の外観
CUR4000は、測定モードの切り替えが可能である。「線形モード」においては、6個のホールアレイを用い、磁場コンセントレーターと組み合わせることで、高感度の電流測定が可能になる。「差動モード」では、コアレスでシールドを用いることなく、外乱磁場に強いシステム設計を行うことができるという。動的電流の測定範囲は最大2000A。
マルチホールアレイ全体の出力オフセット温度ドリフトは、±0.05%FS未満である。さらに、ヒステリシスのない信号を出力する。非線形誤差は±0.2%FS、ノイズ特性は±0.005%FSという仕様により、最大8kHzの信号帯域幅で高い精度の電流測定を可能にした。
CUR4000は、ホールセンサー技術をベースにしている。温度に依存する主な特性は、不揮発性メモリをプログラムすることで調整することが可能になっている。さらにCUR4000は、ISO 26262のSEooC(Safety Element out of Context)に準拠して開発され、オンボード自己診断機能を備えた「ASIL-B ready」に対応する。冗長技術などと組み合わせることで、より高いASILレベルの電流センサーモジュールを開発することができるという。動作周囲温度は−40〜150℃と広い。
CUR4000は、8端子の表面実装型パッケージ「SOIC-8」で供給する。既にサンプル品の供給を始め、2021年第2四半期(4〜6月)から量産する予定である。
CAN FD用コモンモードフィルタを量産開始、TDK
TDKは2021年4月6日、次世代の車載LAN規格であるCAN FDに向けたコモンモードフィルター「ACT1210Dシリーズ」として、「ACT1210D-101-2P」を発表した。3.2×2.5×2.5mm(3225サイズ)と小型で、「業界最高レベル」(TDK)のモード変換特性(Ssd21)を実現したとする。【修正あり】
1006サイズで高インダクタンスの薄膜金属インダクター
TDKは2021年3月23日、主にTWS(True Wireless Stereo/完全ワイヤレスイヤホン)に向けたインダクター「PLEシリーズ」として、1.0×0.6×0.7mmの「PLEA67BBA2R2M-1PT00」を開発し、量産すると発表した。TWSに搭載されている電源回路用インダクターで、1006サイズと小型ながら、2.2μHと高いインダクタンスと500mAの定格電流を実現している。
大電流印加時でも低Rac、NFC用積層インダクター
TDKは2021年2月16日、NFC(近距離無線通信)用インダクター「MLJ-H1005」シリーズを開発したと発表した。アンテナとのインピーダンス不整合による損失を抑えるために、±5%という狭い公差を実現している他、既存品の「MLJ1005W」シリーズに比べ、交流抵抗(Rac)を低く抑えることに成功した。
小型で低コストのCO2センサー、TDKが開発
TDKは2021年1月8日、MEMSベースのCO2検出用ガスセンサー「TCE-11101」を発表した。EE Times Japanでも既に取り上げているが、ここではもう少し詳しく説明したい。
高周波対応の車載PoC用小型ノイズ抑制フィルター
TDKは2020年12月15日、高周波で高いインピーダンスを保持し、通電時のインピーダンスの変動も抑えた車載PoC(Power over Coaxial)用ノイズ抑制フィルター「MDF1005シリーズ」を開発したと発表した。
導電性接着剤で実装可能なチップNTCサーミスタ
TDKは2020年12月1日、導電性接着剤を用いて実装できるチップNTCサーミスタの新製品「NTCSPシリーズ」を開発したと発表した。AEC-Q200に準拠し、−55〜150℃という幅広い温度に対応しているので、車載機器をはじめさまざまなアプリケーションに使用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.