ソニー、4K解像度CMOSイメージセンサーを開発 : ダイナミックレンジが従来比約8倍
ソニーは、セキュリティカメラ向けの1/1.2型4K解像度CMOSイメージセンサー「IMX585」を開発した。単露光方式で従来製品の約8倍という広いダイナミックレンジを実現した。近赤外領域における感度も従来品に比べ約1.7倍と高い。
ソニーは2021年6月、セキュリティカメラ向けの1/1.2型4K解像度CMOSイメージセンサー「IMX585」を開発したと発表した。単露光方式で従来製品「IMX485」の約8倍という広いダイナミックレンジを実現した。近赤外領域における感度も従来品に比べ約1.7倍と高い。
IMX585の外観
IMX585は、高い感度とHDRを実現したセキュリティカメラ向け裏面照射型画素技術「STARVIS 2」を採用した。STARVIS 2は、独自のプロセス技術を用い受光部の面積を広くすることで、広いダイナミックレンジを実現する技術。
HDRを実現するために、これまでは多重露光方式を用いるのが一般的であった。ところが、HDRで動体を撮影するとアーティファクトと呼ばれるノイズが発生し、AI処理時に誤認識する要因となることがあった。
IMX585は、単露光方式で88dBというダイナミックレンジを達成しており、AIを組み合わせた画像認識の用途にも適した製品となっている。また、IMX585を用い多重露光方式で撮影した場合、106dBのダイナミックレンジが得られるという。
IMX585は、受光部の入射面に凹凸を設けたデバイス構造を採用するなど、近赤外領域において感度を高める工夫も行った。入射光を回折させることで近赤外光の吸収率を高め、近赤外領域における感度を従来の約1.7倍に高めた。これによって、夜間時などに行われる近赤外撮影においても、高画質の撮影が可能となる。
上図は単露光方式撮影時で左が従来品、右が新製品。下図は左が従来品で多重露光方式撮影時(アーティファクトあり)、右は新製品で単露光方式撮影時(アーティファクトなし)の画像(クリックで拡大) 出典:ソニー
IMX585は、2021年7月からサンプル出荷を始める。サンプル価格(税込み)は4400円。なお、同様に単露光方式で88dBのダイナミックレンジを実現した1/3型2K解像度イメージセンサー「IMX662」についても、2021年中にサンプル出荷を始める計画である。
4K、高速AF対応の産業用カメラを“UVCカメラ”で実現
ザインエレクトロニクスは2021年6月、4K画質、位相差検出オートフォーカス(PDAF)に対応し産業用途で使用可能なUVC(USB Video Class)カメラキット「THSCU101」を製品化したと発表した。既に通販サイトであるDigi-Keyで販売を開始し、価格は約2万8000円。
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