日本電産、鴻海グループと合弁会社の設立を検討:EV用駆動モーターシステム事業で
日本電産は、台湾の鴻海科技集團(Hon Hai)およびその傘下にある鴻華先進科技(Foxtron)と、合弁会社の設立に向けた検討を行うことで合意した。合弁会社は自動車用トラクションモーターシステムなどの開発や生産、販売を行う予定である。
日本電産は2021年7月、台湾の鴻海科技集団(Hon Hai)およびその傘下にある鴻華先進科技(Foxtron)との3者間で、合弁会社の設立に向けた検討を行うことで合意したと発表した。合弁会社は自動車用トラクションモーターシステムなどの開発や生産、販売を行う予定である。
日本電産は、EV車両やEVプラットフォームを開発するFoxtronとの間で2021年3月に、EV駆動用システムを開発するための戦略提携で覚書に調印。日本電産製のEV用トラクションモーターシステム「E-Axle」を搭載した製品を共同で開発してきた。そして今回、製品の安定供給に向けて、合弁会社の設立を検討することにした。E-Axleは、モーターやインバーター、減速機を一体化した製品でEVの心臓部になる。
今回の合意に基づき、2021年12月末日までに事業化調査と合弁会社設立の契約に向けた交渉を3者間で行う。合弁会社の本社所在地は台湾とし、2022年内の設立を目指す考えである。合弁会社では、自動車用トラクションモーターシステムや各種モーター関連製品などの開発と生産、販売を行うことにしている。
E-Axleとその他車載製品 出典:日本電産
日本電産は、「2030年にトラクションモーター1000万台を生産」という事業目標を掲げており、今回の合弁会社設立に向けた合意もその布石になる。
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