この記事は、2021年9月13日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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EE Times Japanで連載を執筆いただいている湯之上隆氏の最新記事「「ムーアの法則」は終わらない 〜そこに“人間の欲望”がある限り」は、いろいろと考えさせられる記事でした。
▼「ムーアの法則」は終わらない 〜そこに“人間の欲望”がある限り
最も考え込んでしまったのは、「TSMCが「田んぼのあぜ道を時速100kmでぶっ飛ばす」ような正気とは思えないスケーリングを行う原動力は、米国人が「より高性能、より使いやすい、よりバッテリーの持ちが良い」iPhoneを購入したいという欲求にある。要するに、TSMCによって推進されている現在のムーアの法則は、“人間の欲望の法則”であると言える」という部分です。
- 半導体サプライチェーン 〜日本政府の戦略と見えてきた課題
英調査会社Omdiaは2021年8月3日、半導体サプライチェーンの現状と今後を分析するオンラインセミナー「Global Semiconductor Day 〜今後のカギを握るグローバル半導体サプライチェーンの在り方〜」を開催した。本稿では、いくつか行われた講演の中から、特に印象に残ったものの内容を紹介する。
- 半導体不足の影響、自動車分野以外にも波及
半導体不足に関しては、関心のほとんどが自動車分野に向けられているが、他の産業やデジタル分野も同様に、ICサプライチェーンの混乱によって大きな打撃を受けている。
- 半導体不足で200mm工場の生産能力が急成長へ
半導体の製造装置および材料の業界団体であるSEMIが2021年5月25日(米国時間)に発表した調査によると、200mmウエハー工場の生産能力が、2020〜2024年までに17%増に当たる月産95万枚を増加し、過去最高となる月産660万枚に達するペースで拡大しているという。
- 半導体不足という「有事」が問うニッポン半導体産業のあるべき姿
2021年2月6日付の日本経済新聞1面に「半導体『持たざる経営』転機 有事の供給にリスク」という記事が掲載された。昨今はこの記事以外にも半導体業界に関する記事が注目を集めているようで、この業界に長らく関わっている筆者としてもありがたいことだ。ただ、半導体業界関連の記事をよく読んでみると「そうかな?」と首をかしげる記事も少なくない。冒頭に挙げた記事も、分かりやすく簡潔にまとまっているように見えるが、逆にまとまり過ぎていて、筆者の主張したいことが多々こぼれ落ちているように読めた。そこで、今回は半導体産業のあるべき姿について、私見を述べさせていただくことにする。
- 作り手の“腕の見せ所”、「Apple Silicon M1」の層数を解析する
今回は、「Apple Silicon M1」の断面を解析し、層数や配線について解説する。配線に満ちている電子機器では、配線や配置は「腕の見せ所」ともいえる重要な技術だ。
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