三菱電機は2021年11月9日、パワーデバイス事業の事業説明会を開催し、2025年度までの今後5年間でパワー半導体事業に1300億円を投資することを明らかにした。福山工場(広島県福山市)への12インチ(300mm)ウエハーライン新設などを予定しており、2025年度までに2020年度比で生産能力を2倍にする方針だ。
三菱電機は2021年11月9日、パワーデバイス事業の事業説明会を開催し、2025年度までの今後5年間でパワー半導体事業に1300億円を投資することを明らかにした。福山工場(広島県福山市)への12インチ(300mm)ウエハーライン新設などを予定しており、2025年度までに2020年度比で生産能力を2倍にする方針だ。
同社によると、自動車の自動化や、民生機器のインバーター化の進展、産業/再生エネルギー/電鉄分野の省エネ、自動化の進展によって、パワーデバイス市場は2020〜2025年度まで年平均成長率(CAGR)12%のペースで拡大していく見通しだという。
この市場に対し、同社のパワーデバイス事業では、売上高を2025年度までに2400億円以上、営業利益率を10%以上とする成長目標を立てた。目標達成に向け、特に高い成長が見込まれる自動車分野と、同社が高いシェアを持つ民生分野に注力し、分野別売上高規模における両分野の比率を2020年度の50%から2025年度までに65%に拡大していく方針だ。
同社はまた、ウエハー製造(前工程)の生産能力を2025年度までに2020年度比約2倍に増強する計画も説明。組み立て、検査工程(後工程)についても「適時適切に投資」し、今後の需要に対応するとしている。投資規模は、2025年度までの今後5年間で約1300億円を予定している。
この投資の代表例として挙げたのが、福山工場への8インチ(200mm)、12インチラインの構築だ。8インチラインについては2021年11月からテストランを開始し、2022年春には量産を開始する予定。12インチラインの量産時期は2024年度を目標としている。
今回新設する12インチラインでは、大口径化によるウエハーの取れ数向上や自動化による生産性向上というメリットに加え、ウエハー内にキャリア蓄積層を追加し低損失を実現する「CSTBTセル構造」を独自に進化させることで低損失化、生産性向上を実現し、これをRC-IGBTに適用していく独自の差別化を行っていく方針。まずは自動車分野と民生分野から適用していく予定だ。
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