さて、ここから本論の後半に入ります。テーマは、「国家安全保障としての"IT"と"OT"と"リーガルマインド"教育」です。
最初に、後半で使う用語について記載しておきます。特にOTという用語は、多くの人には初見と思います(普通はITとごっちゃに説明されている)ので、整理しておきます。
現在の、GIGAスクール構想は、ITよりもむしろOTに比重が置かれていて、かつ、リーガルマインドについては、まったく未着手です(後述します)。
また、ハッキングとは、高度な技術を使ってハードウェアやソフトウェアを分析・把握する行為であり、クラッキングとは、この高度な技術を悪用することを言います。この2つは全く異なる概念ですが、社会一般には、『ハッキング』で浸透しています(例えば、NHKは、クラッキング行為を『ハッキング』と称呼すると腹を括っているようです)。
ちょっと話は逸れますが――
例えば、これから若いエンジニアがお見合いをしている時などに、『週末は、何をされて過されているのですか?』と相手から尋ねられた際、
「ええ、主に、ラズパイにインストールしたオペレーションシステムのハッキングをしています」
と言えば、この見合い、その場で破談となるのは目に見えています ―― というか、こういう回答をしてしまうエンジニアは、そもそも、見合いには向いていない、と思います。
いろいろと悩んだ末、本コラムでは「ハッキング(クラッキング)」と併記することにしました。読み苦しいかもしれませんがご理解ください。
閑話休題。
さて、冒頭の話に戻りますが、
これらの行為は全て、立派な犯罪です。それを、子どもが知らないのは、仕方がないとして、大人も、教師ですら理解していないようです。
ちなみに、これらの行為を含めた「いじめ」は、全て立派に犯罪行為であり、それを不作為で看過し続けた保護者や学校にも、法的な責任が発生します。
これらの違法行為を書き出してみると、こんな感じになります。
つまり、「ITとOTは、常に違法行為と表裏一体として存在している」のです ―― で、子どもたちは、そのようなリテラシーを教えられていないので、簡単に、それらを踏み越えてしまうのです。
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