ロームは、耐圧600VのSuperJunction MOSFETとして、業界最速の逆回復時間と低オン抵抗を両立させた「R60xxVNxシリーズ」7機種を開発した。EV充電ステーション、サーバ、通信基地局などの電源回路や、エアコンなど白物家電のモーター駆動といった用途に向ける。
ロームは2022年3月、耐圧600VのSuperJunction MOSFETとして、業界最速の逆回復時間と低オン抵抗を両立させた「R60xxVNxシリーズ」7機種を開発したと発表した。EV充電ステーション、サーバ、通信基地局などの電源回路や、エアコンなど白物家電のモーター駆動といった用途に向ける。
パワーMOSFETは一般的に、プロセスを微細化することでオン抵抗を低減できる半面、逆回復時間は特性が劣化する。これに対しロームは、独自のライフタイム制御技術を用い、業界最速の逆回復時間を実現した、「PrestoMOS(プレストモス)」と呼ぶパワーMOSFETを開発し供給してきた。
新たに開発したR60xxVNxシリーズは、最新のプロセスを採用することで、これまでの105ナノ秒という逆回復時間を維持しつつ、オン抵抗を一般品に比べて最大20%も低減(TO-220FM同等パッケージ品で比較)することに成功した。この結果、無駄な電流量を抑えることが可能となり、スイッチング時の電力損失を約17%も削減できるという。
今回発表した7機種は、パッケージがTO-220FM品で3機種(オン抵抗と逆回復時間が180mΩ/68ナノ秒品、130mΩ/80ナノ秒品、95mΩ/92ナノ秒品)、TO-220AB品で2機種(同様に130mΩ/80ナノ秒品、95mΩ/92ナノ秒品)、TO-247AD品で2機種(同様に59mΩ/112ナノ秒品、42mΩ/125ナノ秒品)である。この他の仕様品やTO-252パッケージ品なども開発中である。
これとは別に、標準タイプの600V耐圧SuperJunction MOSFETとして、オン抵抗を抑えた「R60xxYNxシリーズ」も開発中で、今回はTO-220FMパッケージ品の2機種を発表した。オン抵抗は215mΩ品と154mΩ品で、逆回復時間はいずれも200〜600ナノ秒である。
新製品は既に量産中で、サンプル価格(税別)は900円。インターネットでの販売も始めており、コアスタッフオンラインやチップワンストップのサイトから購入することができる。
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