ルネサス、ウィニング・コンビネーションを追加:Wi-Fiチップセットを組み合わせ
ルネサス エレクトロニクスは、子会社のCeleno製Wi-Fiチップセットとルネサス製MCUなどを組み合わせたウィニング・コンビネーションソリューションとして、新たに10種類を発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2022年4月、子会社のCeleno製Wi-Fiチップセットとルネサス製MCUなどを組み合わせたウィニング・コンビネーションソリューションとして、新たに10種類を発表した。IoT(モノのインターネット)や産業、インフラシステムなどの用途に向ける。
イメージ画像 出所:ルネサス
ルネサスが提供するウィニング・コンビネーションは、MCUやアナログ製品、電源ICなど同社製デバイスを組み合わせ、動作検証まで済ませたソリューション。顧客における設計のリスク軽減や、開発に要するコストや時間を低減することが可能で、既に合計300種類以上を供給している。
新製品は、ルネサスが2021年12月に買収を完了したCeleno製のWi-Fi 5やWi-Fi 6/6Eチップセットと、ルネサス製MCUなどを組み合わせたソリューション。例えば、「Wi-Fi 6搭載産業用ゲートウェイ向けソリューション」は、高性能MCU「RZ/G2H」とWi-Fi 6モジュールを組み合わせた。Wi-Fiチップは最大4.8Gビット/秒までのPHY/データリンク速度の駆動に対応できるため、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の高速データ伝送を実現することができる。
「自動光学検査(AOI)ソリューション」は、ビジョンAI用MPU「RZ/V2M」を搭載したSMARCシステムオンモジュール(SoM)と、Wi-Fi 5対応M.2タイプEモジュールに加え、市販のカメラモジュールなどをキャリアボードに実装している。「ワイヤレスデジタルサイネージソリューション」は、RZ/G2HとWi-Fi 5モジュールを組み合わせた。HDMIやLVDS接続のフラットパネルディスプレイやLEDベースのマトリクスディスプレイなどに対応できるという。
この他、「AIビジョン・音声認識ソリューション」「ワイヤレスネットワークビデオレコーダーソリューション」「ワイヤレスIIoTゲートウェイソリューション」などを用意した。
- エッジAIのSyntiant、ルネサスなどから5500万ドル調達
超低消費電力のAI(人工知能)アクセラレーターを手掛けるスタートアップのSyntiantは、5500万米ドルの資金調達ラウンドを終了し、同社の総調達額は約1億米ドルに達した。同社は2017年の設立以降、新規および既存の投資家に支えられてきた。
- 自動運転L2+/L3を普及車にも、ルネサスの「R-Car V4H」
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2022年3月8日、普及価格帯の車両にも自動運転レベル2+/レベル3を搭載可能にする車載SoC(System on Chip)「R-Car V4H」を発売した。ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムのメインプロセッシング用SoCで、最適なIP(Intellectual Property)の組み合わせによって、業界トップレベルの電力性能比を実現したという。同日からサンプル出荷を開始し、2024年第2四半期に量産開始予定だ。
- ルネサスの汎用MPU、64ビットRISC-V コアを搭載
ルネサス エレクトロニクスは、64ビットRISC-V CPUコアを搭載した汎用MPU「RZ/Five」のサンプル出荷を始めた。IoTエッジデバイスに向けて性能や機能を最適化している。
- RFトランシーバー回路の大幅な小型化を実現、ルネサス
ルネサス エレクトロニクスが、RFトランシーバー回路において、従来技術より大幅な省面積化を実現するとともに、低消費電力化やコスト低減、基板設計の容易化も可能にする2つの新回路技術を開発した。同技術を用いて22nm CMOSプロセスで試作したBluetooth Low Energy(LE)対応の2.4GHz RFトランシーバー回路は、電源系を含む回路面積を0.84mm2と世界最小(同社)にしたほか、消費電力も受信/送信時で3.6mW/4.1mWと低く抑えることに成功したという。
- 買収で製品群はさらに豊富に、ルネサスの産業事業は新たな成長段階へ
2021年8月に英Dialog Semiconductorの買収を、そして同年12月にはイスラエルCeleno Communicationsの買収を完了したルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)。これらの買収により、ルネサスでは産業向け事業がさらに強化されることになった。ルネサスのIoT・インフラ事業本部(IIBU)でエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるSailesh Chittipeddi氏に、買収によるシナジーや、同事業本部の戦略について聞いた。
- 混載MRAMの書き換えエネルギーを72%削減、ルネサス
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、スピン注入磁化反転型磁気抵抗メモリ(STT-MRAM、以下MRAM)を省エネルギーかつ短い電圧印加時間で書き換えられる技術を開発した。2021年12月11〜15日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「2021 IEDM」で発表されたもの。IoT(モノのインターネット)向けマイコンの混載MRAMに同技術を適用することで低消費電力化を狙う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.