在庫水準については自社在庫、流通在庫ともに前四半期から増加している形だが、柴田氏は、「数が増えている部分も多少あるが、それ以外の要因として為替や価格変動、シップ&デビット導入などに伴う不連続な変化がある」と説明する。
自社在庫増の具体的な要因としては原価(棚卸評価)増および円安の影響が、前四半期からの増加分の半分近くを占めるという。また、棚卸評価の影響は2022年第2四半期にも継続するという見通しを示した。
このほかの要因としては、原材料が「供給がタイトな原材料を中心に先行発注をしている」と説明。第2四半期以降も「必要な原材料については前広に調達を行っていく」としている。また仕掛品は、需要増に対応したアウトソースからの購入増のほか、後工程での生産制約も増加の要因となった。一方で地震の影響で仕掛品の一部をスクラップした減少もあったという。第2四半期以降の見通しは、「需要増対応は継続する。後工程を中心とした生産制約のリスクは一定程度継続すると見込んでいる」としている。
完成品は2022年3月からの中国、上海のロックダウンによる物流停滞の影響で増加していて、「第2四半期も物流停滞の影響は容易に解消されないと想定しており、同程度の水準になることを見込んでいる」としている。
流通在庫増については、産業・インフラ・IoT向け半導体では、今後の需要増への対応のほか、特定顧客を中心に前四半期に需要が前倒しされたことによるエンド消費の反動減の影響、シップ&デビット導入による単価影響が主な増加要因。自動車向け半導体も、需要増への対応があるほか、自動車メーカーの生産減が影響し増加した。いずれも第2四半期以降、「需要増対応は継続する一方、チャネル内で製品ミックスの不整合が生じないよう出荷の最適化を図っていく」としている。
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