Applied Materialsは、GAAトランジスタのチャネルとメタルゲートスタックを改善するために設計された「Integrated Materials Solution(IMS)」の新バージョン2つも発表した。IMSは、より高い駆動電流とトランジスタ性能の達成をサポートするという。
Applied Materialsのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるUday Mitra氏は、「IMSシステムは当初、真空中の重要なプロセス工程を利用して、より高レベルのインタフェースエンジニアリングとチューニングを実現するために設計した。これにより、酸化膜厚の均質なスケーリングを行って、駆動電流を8〜10%向上させることが可能になる」と述べている。
最新版のIMSはさらに、ゲート酸化膜スタックを変更する際に生じる特有の問題にも対応しているという。
Applied Materialsによると、「GAAトランジスタ製造における主な課題は、チャネル間のスペースがわずか10nm程度で、その微小なスペースにチャネルの4側面を囲む多層ゲート酸化膜とメタルゲートを成膜しなければならないことだ」という。同社は、「ゲート酸化膜が薄いほど、駆動電流とトランジスタ性能は向上する。しかし、ゲート酸化膜が薄いと、リーク電流が大きくなり、電力が浪費されて熱が発生してしまう」と説明している。
この問題を軽減するため、Applied Materialsは、原子層堆積や熱処理工程、プラズマ処理工程、計測の全てを真空システム内に組み込んで実行し、GAAトランジスタゲート酸化膜を1.5オングストローム薄くすると同時に、ゲートリーク電流を10分の1以下に低減したという。
Applied Materialsはまた、高性能サーバなどのコンピューティングアプリケーションがワットあたりの性能目標を達成するのをサポートするために、トランジスタのしきい値電圧を調整できるIMSシステムも開発した。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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