Wolfspeed(旧Cree)は、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」(2022年5月10〜12日、ドイツ)に出展し、同社が開発する新世代(Gen 3+)車載用SiC(炭化ケイ素)MOSFETのダイおよび先端パッケージング技術と組み合わせたソリューションなどを紹介した。
Wolfspeed(旧Cree)は、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」(2022年5月10〜12日、ドイツ)に出展し、同社が開発する新世代(Gen 3+)車載用SiC(炭化ケイ素)MOSFETのダイおよび先端パッケージング技術と組み合わせたソリューションなどを紹介した。
Wolfspeedが紹介したのは、1200V耐圧、オン抵抗(RDS(ON))14mΩのGen 3+ SiC MOSFETダイで、前世代のGen 3と比較し、オン抵抗を15%低減しており、同じダイサイズでより高い電流密度を実現することが可能としている。また、ダイのレイアウトはGen 3と同様なことから、「大幅な設計変更を必要とせずGen 3からの置き換えができ、この新技術の恩恵を受けることが容易になる」と説明している。
また、高温性能も特長で、HTRB(高温逆バイアス試験)およびHTGB(高温ゲートバイアス試験)においてその能力は実証されていると説明。「175℃で1000時間の寿命テスト後、200℃で100〜150時間の追加テストを実施した。ダイへの影響は非常に小さく、200℃でもパラメーターが非常に安定している」と強調していた。
同社はこのダイに、パッケージング向け技術などを手掛けるドイツHeraeus Electronicsの独自パッケージングソリューション「ダイ・トップ・システム(DTS)」を組み合わせることで、高いストレス条件に耐えることのできるソリューションを実現するとしている。
DTSは、ダイの上に銅箔を置き(銀焼結ペースト塗布済み)、その上に銅線をボンディングするというもの。熱性能を改善するだけでなく、銅線ボンディングにより効率的に電力を伝導できるため、電力密度も向上させることができるという。Wolfspeedはこの組み合わせによって、「湿度や高電圧などの高いストレス条件に対応可能なソリューションを提供できる。また、200℃の高温環境下でもパワーサイクルストレスに対して高い堅牢性を示している」としている。
また、同社は2022年4月に、米国ニューヨーク州マーシーでSiCの200mmウエハー工場の稼働を開始しており、今回、同工場で製造する200mmウエハーや搬送ケースなどを展示していた。
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