Infineon Technologiesは2022年5月10日(ドイツ時間)、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」において2kV耐圧のSiC MOSFETおよびダイオードを発表した。需要が高まる1500VDCのアプリケーション向けで、「出力密度向上とシステムコスト低減を実現し、次世代の太陽光発電、電気自動車(EV)チャージャー、エネルギー貯蔵システムの基盤を提供する」としている。
Infineon Technologiesは2022年5月10日(ドイツ時間)、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」において2kV耐圧のSiC MOSFETおよびダイオードを発表した。需要が高まる1500VDCのアプリケーション向けで、「出力密度向上とシステムコスト低減を実現し、次世代の太陽光発電、電気自動車(EV)チャージャー、エネルギー貯蔵システムの基盤を提供する」としている。
高電力密度に対する要求が高まる中、開発者はアプリケーション1500VDCリンクを採用するようになっている。ただ、1500VDCベースのシステムは高DC電圧での高速スイッチングなどシステム設計上の課題が多く、「現在用いられる耐圧1200Vのデバイスではマルチレベルトポロジーが必要で、設計が複雑になり、部品点数も相対的に多くなる」(同社)という。
今回発表した新製品は、低スイッチング損失と高ブロッキング電圧の両方を1つのデバイスで実現したことで、1500VDCシステムの要件に対応したとしている。新製品は、同社の既存の1700VのSiC MOSFETと比べ低いドレイン-ソース間オン抵抗値を実現、「十分な過電圧マージンを確保し、宇宙線によるFIT(平均故障率:Failure In Time)を1700VのSiC MOSFETと比較して10分の1に低減することを実現した」と説明している。
また、2kVに相当する電圧レベルでの長期安定性試験、過酷な環境下での耐湿性や環境条件の試験などの各関連試験にも合格している。
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