半導体メモリの国際学会「International Memory Workshop2022(以下IMW2022)」から、筆者が注目した2つの論文を紹介する。Micron Technologyとキオクシアの論文で、いずれも3D NAND型フラッシュメモリに関する発表である。
半導体メモリの国際学会「International Memory Workshop2022(以下IMW2022)」がドイツのドレスデンで5月15日〜18日に開催された(図1)。実はIMWは、2020年も2021年もドレスデンでの開催を目指していたが、コロナ禍ということもあり、完全バーチャルでの開催を余儀なくされた。
しかし、3度目の正直となった2022年は、リアルとバーチャルのハイブリッドでの開催に漕ぎつけた(図2)。4人のOrganization Committeeは、コロナの状況を分析し、何とかリアル開催を行おうと、ギリギリまで懸命な努力をされたものと推察する(図3)。そのご苦労に、「お疲れ様でした」と感謝の意を表したい(筆者は、自宅のPCからオンデマンドで、のんびりと参加させて頂きました。なお、オンデマンドは5月末までと言われていたが、この原稿を書いている6月9日もまだ視聴可能となっている)。
ことし2022年のIMWには、43件の論文が投稿され、16件が口頭発表に採択された(図4)。その採択率は37%となり、非常に狭き門であることがうかがえる。また、11件がポスター発表として採択され、口頭発表とポスター発表の合計は27件であり、その採択率は63%となった。
その他に、招待講演が8件、2分野のTutorialで合計5件の発表があった。従って、ことしのIMWは、合計で40件の発表があったことになる。
採択論文の内訳をみると、Flashが18%、EEPROMが24%、MRAMが18%、RRAMが11%、PCMが8%、Special Technologyが8%、NVM applicationが13%となっている。あらゆるメモリで満遍なく発表があった印象を受けた(図5)。
ただし、2019年以降、投稿論文数が減少傾向にあることが気にかかる。過去に2012年には投稿論文が100件を超え、採択論文が40件になったこともあった。2019年以降の投稿論文の減少の背景には、コロナの影響もあるかもしれない。筆者はこの国際学会が気に入っているので、来年2023年以降、再び投稿論文数が上向くことを願っている。
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