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» 2022年06月23日 09時30分 公開

パワー半導体の信頼性を高める厚みがより均一な銅条古河電工、20年比倍増の出荷目指す(1/2 ページ)

古河電気工業(以下、古河電工)は2022年6月22日、パワー半導体に使用される絶縁基板の反りを低減することのできる無酸素銅条の圧延技術を開発し、同技術を適用した無酸素銅条製品の出荷を一般に開始すると発表した。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 古河電気工業(以下、古河電工)は2022年6月22日、パワー半導体に使用される絶縁基板の反りを低減することのできる無酸素銅条の圧延技術を開発し、同技術を適用した無酸素銅条製品の出荷を一般に開始すると発表した。

 パワー半導体では、セラミックスの両面に無酸素銅板を張り付けた絶縁基板が使用される。セラミックスへの銅板の張り付けは750℃を上回る高温での加工が必須で、この熱の影響で絶縁基板が反ってしまい、絶縁基板上に実装するチップが剥離しやすくなる、セラミックスにクラックが発生してしまうといった不具合を起こすという課題を抱えている。

パワー半導体における絶縁基板とその構造[クリックで拡大] 出所:古河電気工業

 絶縁基板が高温の熱で反ってしまう原因の1つは、セラミックスの両面に貼る銅板の厚みのばらつきとされる。銅板の厚みが表と裏で異なることによって熱膨張/収縮の影響に差異が生まれ、結果、絶縁基板としての反りを大きくした。

絶縁基板の反りについて[クリックで拡大] 出所:古河電気工業

板厚ばらつき幅を従来比半分に抑制

 これまで古河電工が、窒化ケイ素や窒化アルミといったセラミック材料を使い、銅板をろう付けして接合(ABM接合)する用途向けに展開してきた無酸素銅条「GOFC」では、0.8mm厚、長さ1200mの製品で、14μm幅で板厚にばらつきが生じていた。

 そこで古河電工は、板を延ばし板厚が決まる仕上げ圧延工程を改良し、0.8mm厚、長さ1200mのGOFCで板厚ばらつき幅6μmと従来比約2分の1までばらつきを抑えることに成功した。

板厚0.8mmの銅条におけるばらつき幅の測定結果[クリックで拡大] 出所:古河電気工業

 具体的には、圧延しながら板厚を計測するX線検査装置をより厚い銅板でも高精度に測定できるように改良し、圧延の精度を高めた他、表面加工などを工夫することでばらつきを抑えた。「パワー半導体よりも薄い板厚の銅板が使用されるロジック半導体向けリードフレーム製造で培ったノウハウを応用することで実現した。パワー半導体で求められる板厚0.25mmから2mmで、ばらつきを従来比約2分の1に低減した」(同社)

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