STMicroelectronics(以下、ST)とGlobalFoundries(以下、GF)は2022年7月11日(フランス時間)、フランス・クロルに両社が共同で運用する300mmウエハー工場を新設すると発表した。2026年までのフル稼働を目標としており、フル稼働時の年間生産量は300mmウエハー換算で最大62万枚(STが42%、GFが58%)となる予定としている。
STMicroelectronics(以下、ST)とGlobalFoundries(以下、GF)は2022年7月11日(フランス時間)、フランス・クロルに両社が共同で運用する300mmウエハー工場を新設すると発表した。2026年までのフル稼働を目標としており、フル稼働時の年間生産量は300mmウエハー換算で最大62万枚(STが42%、GFが58%)となる予定。
両社によると、新工場はクロルにあるSTの既存の300mmウエハー施設に隣接する形で建設する。新工場では、特にFD-SOI(FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)ベースの技術をサポートし、複数の品種をカバーする予定としており、両社は、「これには、今後数十年にわたり車載、IoT(モノのインターネット)、モバイルの各アプリケーションで高い需要が見込まれる、GFの『FDX』プロセス技術や、STの18nmまでの包括的技術ロードマップが含まれる」と説明。「協働によって、クロル拠点のスケールメリットを生かし、高い資本効率で世界が必要とする半導体生産能力の増強を加速させる」と述べている。
両社は、新工場建設に対して、フランスから多額の財政支援を受ける予定だ。具体的な投資金額は明らかにしていないが、「フランス政府からの多額の財政支援を含む、数十億ユーロ規模の共同投資を行う予定だ」としている。
STの社長兼CEO(最高経営責任者)、Jean-Marc Chery氏は、「STはクロルの既存の300mmウエハー工場で既に独自の地位を築いているが、今回の発表でさらに強化されることになる。われわれは、2023年上半期に立ち上げ、2025年末までにフル稼働予定のアグラーテ(イタリア・ミラノ近郊)の新しい300mmウエハー工場や垂直統合型のSiC(炭化ケイ素)およびGaN(窒化ガリウム)への投資を継続する」と述べている。
GFのCEO、Thomas Caulfield氏は、「この共同運営による新たな生産能力増強は、STのクロル既存施設のインフラを活用するもので、10億個以上のチップを出荷した当社の差別化された『22FDX』プラットフォームにおいて、スケールメリットを生かしながら資本効率の高い方法で生産能力を増強し、当社の成長を加速させることが可能になる」としている。
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