GlobalFoundriesは、初めて開催した決算報告で、2021年第3四半期(7〜9月期)の売上高が前四半期比5%増、前年同期比56%増の17億米ドルに達したことを発表した。
GlobalFoundriesは、初めて開催した決算報告で、2021年第3四半期(7〜9月期)の売上高が前四半期比5%増、前年同期比56%増の17億米ドルに達したことを発表した。
世界的な半導体不足にもかかわらず、GlobalFoundriesの同四半期の純利益は500万米ドルに達した。同社は1年前に2億9300万平ドルの純損失を計上していたが、今回黒字に戻すことができた。また、調整後の1株当たり利益(EPS)はアナリストが予測した0.00米ドルを上回る0.07米ドルとなった。
GlobalFoundriesのCEOであるThomas Caulfield氏は「差別化されたソリューションが当社のビジネス全体に占める割合が大きくなる中、ウエハー生産量は増加し、継続的な改善も行われている。今回の収益増加は、主にそうした複合的な要因によってけん引された」と述べた。総売上高の約92%がウエハー生産による売上高が占めるという。
とはいえ、GlobalFoundriesは半導体サプライチェーンが抱える課題に対して鈍感であるわけではない。2021年10月の上場以降初となる決算発表の中で、Caulfield氏は供給と需要の問題が存続していることを認めた。
Caulfield氏はアナリストとのカンファレンスコールの中で「2022年に主要顧客に供給する予定の製品も不足しており、現在対処しているところだ」と述べた。
それでも、GlobalFoundriesは2021年第4四半期の売上高について18億米ドルから18億3000万米ドル、EPSは0.02米ドルから0.06米ドルの間と予測している。
GlobalFoundriesは2021年10月28日に上場した。初期の株式価格は47米ドルで、5500万株の普通株が売り出された。2021年11月30日、GlobalFoundries(NASDAQ:GFS)の株価は終了前に1株73.25ドルまで上昇したが、終値は69.24米ドルだった。
GlobalFoundriesによると、同社は引き続き生産能力を拡大する事業に取り組んでいく計画だという。2021年第4四半期には、製造設備の生産能力が世界全体で約4%上昇すると見込んでいる。前年同期比では12%上昇することになる。同社がドイツ・ドレスデンに置く製造施設「Fab 1」では、2021年第4四半期に生産量が16%増加する見込みだという。前年同期比では15%の増加となる。生産能力の拡大は、同社の22nm FD-SOI(「22FDX」)やBiCMOS技術に対する顧客需要の高まりに応じたものである。
GlobalFoundriesは、需要の急激な高まりと供給上の制約に対処するため、2021年に半導体生産の拡大に60億米ドルを投じる計画である。同社は大きな打撃を受けた自動車分野をターゲットにしている。
2021年11月18日、GlobalFoundriesとFordは、半導体製造を強化しながら自動車エレクトロニクスを進化させるために連携することを発表した。このパートナーシップは、Fordをはじめとする米国の自動車メーカーへの半導体供給を増強することを目指したものである。
これによって、GlobalFoundriesは半導体製造に関する研究を始められるようになる。研究の初期の目的は現在の半導体供給難に対処することだが、最終的にはFord製自動車向けに半導体製造を強化できるよう、ADASやバッテリー管理といった領域の研究に注力していくとする。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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