SK hynixは2022年10月7日(韓国時間)、半導体製造に不可欠なネオンガスの自国内調達を実現し、自社チップ製造における導入割合を40%にまで拡大したと発表した。同社によると、韓国半導体メーカーがネオンガスを国内調達するのは初という。
SK hynixは2022年10月7日(韓国時間)、半導体製造に不可欠なネオンガスの国内調達を実現し、自社チップ製造における導入割合を40%にまで拡大したと発表した。同社によると、韓国半導体メーカーがネオンガスを国内調達するのは初という。SK hynixは、「当社は不安定な国際市場にもかかわらず、ネオンガスの安定供給を維持し、コストの大幅削減を可能にした」と説明。2024年までにネオンガスの100%国産化を目指すという。
ネオンガスは、DUV(深紫外)露光用光源エキシマレーザーなどに不可欠な不活性ガスだ。その主要生産国はウクライナで、台湾の調査会社TrendForceが2022年2月に発表した調査によれば、ウクライナはネオンガスについて、世界の生産能力の70%近くを供給していたという。しかし、ロシアのウクライナ侵攻によってその供給リスクが高まっており、価格も高騰。SK hynixはこのリスクに対応するため、半導体向け特殊ガス専門企業のTEMCおよび鉄鋼メーカーのPOSCOと共同で、同ガスの国産化に取り組んでいたという。
ネオンは大気中に0.00182%しか存在しない希少なガス状元素だ。この希少なネオンを抽出するには、大型の空気分離装置(ASU)プラントが必要となる。SK hynixによると、同社のネオン国内調達という目的に対し、TEMCとPOSCOが既存設備を活用して、低コストでネオンを製造する技術を共同開発したという。
SK hynixは、国産ネオンを評価/検証し、2022年初めに半導体製造工程で使用することに成功。2022年4月、「韓国半導体業界で初めて」(同社)国産ネオンを半導体フォトリソグラフィーに導入し、既に製造工程で使用されるネオン全体の40%をカバーしているという。SK hynixは2024年までに、同社の半導体製造で用いるネオンを100%国産化にする予定としている。
さらに、半導体のエッチング工程で使用されるクリプトンガスとキセノンガスについても、2023年6月までに国内生産を行う予定だという。
SK hynixのFAB材料調達責任者、Hongsung Yoon氏は、「国内パートナーとの協力は、不安定な国際情勢による不確実な市場にもかかわらず、供給の安定化に大きく貢献した。今後もパートナーとの協力関係を継続することで、半導体原料のサプライチェーンを強化していく予定だ」と述べている。
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