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車載メモリ市場は27年まで20%の急成長、Yoleが予測メモリ/車載半導体市場全体を上回る成長率(1/2 ページ)

フランスの市場調査会社Yole Group(以下、Yole)は2022年11月30日(フランス時間)、車載メモリ市場に関する市場調査結果を発表した。同社の調査によると、車載メモリ市場は2021〜2027年の間、CAGR(年平均成長率)20%と急速な成長を続けるという。

» 2022年12月06日 11時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 フランスの市場調査会社Yole Group(以下、Yole)は2022年11月30日、車載メモリ市場に関する市場調査結果を発表した。同社の調査によると、車載メモリ市場は2021〜2027年の間、CAGR(年平均成長率)20%と急速な成長を続けるという。

電動化、スマートコックピット、ADASにけん引され急成長

 Yoleによると、2021年のスタンドアロン型メモリの市場規模は、半導体市場全体の28%を占める1670億米ドルだった。一方で、車載メモリ市場は43億米ドルと、メモリ市場のうち2.6%、車載半導体市場においては10%のシェアとなっており、Yoleは「これらの数字は、現在の自動車には非メモリ電子部品が広く普及していることを浮き彫りにしている」と述べている。

2021年から2027年までの半導体市場の成長率について[クリックで拡大] 出所:Yole Group

 Yoleはこの車載メモリ市場が現在、電動化、スマートコックピット、ADAS(先進運転支援システム)の発展にけん引され急成長をしていると説明。2021〜2027年のCAGRは20%と、メモリ市場の8%や車載半導体市場の17%を上回ると予測している。これによって自動車半導体における車載メモリのシェアは2027年までに17%まで拡大するという。

 なお車載メモリ市場の企業別シェア(推定)をみると、トップはMicron Technologyで全体の45%を占める。2位はSamsung Electronicsで13%、その後はいずれもシェア7%以下でInfineon Technologies、キオクシア、SK hynix、ISSIと続く。

コックピット向けが大半も、ADAS/AD向けの成長顕著

 搭載アプリケーション別でみると、インフォテインメントユニット、インストルメントクラスタ、コネクティビティを中心としたコックピット向けが、2021年の車載メモリ市場のうち71%と大半を占めている。2番目に多いのが、ADASおよびAD(自動運転)向けで、2021年の車載メモリ市場のうち24%を占める。Yoleは、ADAS/AD向けについて、「メモリのアプリケーション領域としては、最も成長が早い」と説明。2027年には車載メモリ市場におけるシェアは36%にまで増加することを予測しているという。

 メモリ市場を詳しく見ると、2021年の世界メモリ市場の売上高のうちNAND型フラッシュメモリ(以下、NANDフラッシュ)とDRAMが合わせて96%を占め、NOR型フラッシュメモリ(以下、NORフラッシュ)は2%強(約35億米ドル)となっている。一方、車載用メモリ市場では、NANDフラッシュとDRAMのシェアは合わせて80%(NANDフラッシュ:39%、DRAM:41%)で、NORフラッシュは15%(約6億6000万米ドル)と、「車載では存在感がかなり強い」(Yole)という。ただし、2027年にはDRAMとNANDが車載用メモリ市場の約90%を占めると予測している。

2021年から2027年までの車載メモリ市場の成長率やメモリ技術/アプリケーション別のシェア[クリックで拡大] 出所:Yole Group
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