この主観的幸福について、引用文献で引用されていた論文のサマリーをいくつか紹介します(江端の超要約ですが)。
どうです、この身もフタもない結論の数々。ちなみに、これらの結果は、全てアンケート結果に基づいており、統計学的に有意と見なされた結論から導かれ、きちんとした審査を経て採択された論文の内容です。
#1のように、「生まれついての気質(遺伝)で幸福/不幸が決まる」、という話は、昔、私が友人に言われたフレーズ『江端って、どうしていつもそんなに幸せ(能天気)なの?』という、誠に失礼な質問を思い起こさせました。
#7の、「女性は男性より幸せ」については、論文の著者自身も、『条件を変えたら結果が変わるかもしれない』と逃げを打っているようです。ただ、この件について、嫁さんとトークをしたのですが、『ある面では真実かも』とも言われました。
嫁さん:『女性には、化粧、服、靴など、女性を直接的に幸せな気分にさせる”モノ(有体物)”は多いように思う。比して、男性の幸せは、権力とか地位とか学位のような『見える化』できないものが多くて、そのスパン(期間)も長く、手に入れられる可能性も(化粧や服や靴と比べれば)圧倒的に低いと思う』
―― だそうです。
また、#4の「40歳は不幸のどん底」という結果は、なかなか興味深いです。確かに、この時期に、人生の面倒くさいことが、一気にやってくる気がします(育児、(子どもの)受験、出世、リストラ、離婚……)。しかし、逆に言えば、40歳を越えれば、その面倒くさいトンネルから抜けられる、という明るい見方もできると思います。
さて、今回引用した論文は、さまざまなタイプの幸福やら満足やらが登場してきて、私自身も混乱していますので、ここから先は、以下のアイコンを使って説明を続けたいと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.