ジャパンディスプレイ(JDI)は2023年4月7日付けで、ディスプレイメーカー大手の中国・惠科股份(HKC)と戦略提携覚書(以下、MOU)を交わした。2023年6月にも最終合意の予定。両社はグローバル戦略パートナーとして、次世代OLEDディスプレイ技術の推進と工場建設などに取り組む計画である。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2023年4月7日付けで、ディスプレイメーカー大手の中国・惠科股份(HKC)と戦略提携覚書(以下、MOU)を交わしたと発表した。2023年6月にも最終合意の予定。両社はグローバル戦略パートナーとして、次世代OLEDディスプレイ技術の推進と工場建設などに取り組む計画である。
JDIは、高輝度で寿命が長い次世代OLED「eLEAP」を開発し、2022年5月に量産技術を確立した。同年8月にサンプル出荷を始め、2024年中にも量産に入る予定である。また、2022年3月には、第6世代量産ラインにおいて、バックプレーン技術「HMO」を開発、早期の量産化を目指している。従来の酸化物半導体薄膜トランジスタに比べ、電界効果移動度は2〜4倍以上だという。
そこで今回、将来のディスプレイデバイス技術に大きなインパクトを与えるとみられる「eLEAP」と「HMO」の技術を、他社にも提供していくことにした。戦略提携を結んだHKCは、生産出荷規模で世界第3位のディスプレイメーカーである。中国では既に、8.6世代のディスプレイ工場で量産を行っている。
合意したMOUによれば、「eLEAP」や共同開発センター「GI2C(グローバルイノベーションアンドインダストリゼーションセンター)」、ハイエンド車載ディスプレイなどの事業について、両社は全面的に協力していくことになった。例えば、先端のeLEAP工場を共同で建設し、2025年内にも量産を始める計画である。
出荷量と市場シェアの中長期的な達成目標も掲げた。ウェアラブル機器向け製品は2027年に、車載システム向け製品とVR機器向け製品、モニター装置向け製品は2028年に、それぞれ世界1位を目指す。ノートPCとタブレット向け製品は、2028年に世界3位を狙うという。
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