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2023年3月期通期 国内半導体商社 業績まとめ19社が増収増益

半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2023年3月期(2022年度)通期業績は、集計対象の21社19社が増収増益だった。

» 2023年06月07日 12時30分 公開
[EE Times Japan]

 半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2023年3月期(2022年度)通期業績は、集計対象の21社19社が増収増益と好調だった。また、20社が増益だった。一方で、2023年度通期の業績予想は、11社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も15社に上った。

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 2022年度通期の世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による政情不安や米中貿易摩擦、インフレの加速による政策金利の引き上げに伴う為替変動など、先行き不透明な状況が継続した。一方、日本では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策としての行動制限の緩和や海外からの入国制限緩和など、景気は緩やかに回復している。

 エレクトロニクス業界は、主にスマートフォンやPC向けで用いられるメモリや最先端品などの需要が減速したものの、自動車や産業機器向けなどは引き続き好調だった。半導体/電子部品の世界的な供給不足についても、車載や産機関連などの一部の製品を除き、需給改善の傾向が見られている。また、急速に進んだ円安がプラスに働いた企業も多く、集計した21社のうち19社が売上高、営業利益ともに前年を上回る“増収増益”を達成した。

国内主要半導体/エレクトロニクス商社2023年3月期第3四半期累計業績
会社名 売上高
(百万円)
売上高
前年比(%)
営業利益
(百万円)
営業利益
前年比(%)
マクニカホールディングス 1,029,263 35.1 61,646 67.9
加賀電子 608,064 22.6 32,249 54.2
レスターホールディングス 487,129 21.9 14,423 90.1
トーメンデバイス 417,621 ▲9.8 12,230 15.1
リョーサン 325,657 19.4 15,423 74.1
RYODEN 260,303 13.6 9,380 32.8
東京エレクトロンデバイス 240,350 33.6 14,227 75.0
エレマテック 239,774 19.5 12,052 44.4
伯東 233,624 22.0 12,711 74.0
立花エレテック 227,266 17.5 10,316 53.8
丸文 226,171 34.8 10,997 83.5
萩原電気ホールディングス 186,001 17.4 6,725 54.4
サンワテクノス 181,013 17.2 7,630 58.8
新光商事 179,076 32.4 7,128 71.2
三信電気 161,107 30.4 6,847 62.7
カナデン 106,419 5.5 3,967 39.4
たけびし 97,404 19.4 3,919 29.7
グローセル 68,295 1.5 1,260 32.2
協栄産業 60,545 6.3 1,471 6.1
イノテック 38,629 3.7 2,319 ▲10.3
高千穂交易 23,360 12.4 1,376 34.4
EE Times Japan編集部調べ/2023年5月22日時点

 集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカホールディングスも増収増益だった。産業機器市場では、効率化や省人化、脱炭素化のためのFA機器や工作機械への設備投資が継続。車載市場でも、安全性の向上/自動化に向けた高度な制御システムや脱炭素化に向けたEV(電気自動車)化の動きが加速し、半導体需要が増している。円安の好影響もあり、結果として同社の2022年度通期売上高は、前年度比35.1%増の1兆292億円、営業利益は同67.9%増の616億円と大幅な増収増益となった。

 加賀電子は、一部の半導体や電子部品で継続していた供給不足や長期納期化がおおむね解消し、「広範な産業分野からの需要が高水準で成長した」(同社)という。電子部品事業は、車載向けや医療機器向けを中心に大きく成長。情報機器事業では、高価格帯のPC製品やセキュリティソフトの販売などが伸長した。結果、2022年度通期の売上高は前年度比22.6%増の6080億円。営業利益も同54.2%増の322億円と大幅な増収増益となった。

 レスターホールディングスのデバイス事業は、民生機器向けなどが調整局面に入った一方で、産業機器や車載機器向けなど堅調な需要により好調。EMS事業は、車載用ディスプレイなどの新規事業が拡大している反面、主力のスマホ向け市況の低迷に伴い減収となった。結果、2022年度の売上高は前年度比21.9%増の4871億円。営業利益は、増収に伴う売上総利益の増加に加え、円安の影響もあり、同90.1%増の144億円と増収増益だった。

 2024年3月期通期(2023年度)の業績予想については、ウクライナ情勢、原材料の高騰、為替変動など先行きが不透明な状況を考慮し、慎重な姿勢を示す企業が多い。コロナ禍での大幅な需要増からの反動や顧客の在庫調整の影響などから半導体/電子部品の需要が一時的に減退する可能性も踏まえ、11社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も15社に上った。

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