エレメカ融合のEMC検証ツール、開発工数を削減 : ノイズを3Dで見える化
図研は、エレメカを連携させてEMCを検証できるツール「3D EMC Advisor」を「JPCA Show 2023」で展示した。プリント基板設計のCAD上に筐体の設計データを取り込み、設計段階から3Dデータでノイズを確認できる。
図研は「JPCA Show 2023」(2023年5月31日〜6月2日、東京ビッグサイト)で、新製品「3D EMC Advisor」を展示した。3D EMC Advisorは、基板設計CAD「CR-8000 Design Force」のオプションとなるEMC検証ツール。プリント基板設計中に筐体の設計データ(メカデータ)を取り込み、エレキとメカの情報を融合させた上で、ノイズの影響を3次元で確認できることが最大の特長だ。
「3D EMC Advisor」の画面の一例。左=ノイズ漏洩領域がドーム状に表示されている。展示会では、実際にノイズが広がっていく様子を見ることができた/右=ノイズ源となっている部品を特定できる[クリックで拡大]
通常、基板設計と筐体などのメカ設計はそれぞれ進行し、設計段階ではプリント基板単体でEMC検証を行う。試作機を製造後に筐体を含めた最終的なノイズの確認をするが、その時点で問題が見つかると基板設計やメカ設計に戻って変更をすることになり、設計の遅延を招く。3D EMC Advisorでは試作前の基板設計段階で筐体設計データを取り込み、3D空間上でEMC検証が行える。また、複数の基板を同じ筐体に入れる際の基板同士のノイズの影響も確認できる。
図研が設計をサポートした製品「e-lamp.」[クリックで拡大]
図研の担当者は、「3D EMC Advisorを使用することで、基板設計とメカ設計を担当する部署間、会社間の連携が取りやすくなる」と説明した。ノイズの見落としと、それに伴う設計の手戻りを減らすことができるので、開発期間の短縮や工数の削減が見込めるという。
高移動度の半導体コロイド量子ドット超格子を実現
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TDK、独自開発のAIデータ分析ソフトでMIを推進
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