南川氏は、中国、日本、米国における経済予測も発表した。
中国については、「中国は、元高の影響で、輸出比率の高い企業を中心に製造業の競争率が低下していくだろう。日本円は、バブル(高度経済成長期)崩壊後から現在にかけて、円ドルレートが約50%円安になっている。中国元は、同期間では日本と対照的に、元高が約2倍進んでいる。今後、日本は、中国を生産拠点として捉えるのではなく、消費動向に注目し、中国市場を積極的に狙っていくべきだ」とコメントした。
日本は、1990年代初頭から現在までの“失われた30年”では、厳しい円高の影響で競争力を失っていた。昨今は、急激な円安により材料などの輸入価格が上がることで企業負担が増えている。一方、南川氏の予測では、日本経済は今後J字回復するという。「過去の円安の歴史を見ると、円安の半年から1年後には、貿易収支がJ字回復する傾向がある。今後、もし円安が定着すれば、輸出比率の高い製造業にとっては、業績回復やシェア回復のチャンスが30年ぶりに訪れることになる。これは、日本に投資を考えているTSMCや他の半導体関連企業にとっても有利な環境になるだろう」(同氏)。
米国については、「GAFAMをはじめとした米国企業は、継続して米ドル価値が高い影響で、次の成長に向けたキャッシュフローが潤沢だ。2023年は、米国企業による設備投資の増加が世界経済のけん引役になる可能性がある。また、米国の金利上昇も2023年で落ち着くとの予想から、個人消費も回復していくであろう」と予測した。
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