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Nexperia、ボタン電池向けブースターICを発表競合製品に比べ寿命が最大10倍に

Nexperiaは、ボタン電池などに向けたブースターIC「NBM7100」と「NBM5100」を発表した。これを用いると非充電型リチウムボタン電池の交換間隔を、競合製品に比べ最大10倍も伸ばすことができるという。

» 2023年07月18日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

ブースターを使用しない時に比べ、ピーク出力電流は最大25倍に

 Nexperiaは2023年7月、ボタン電池などに向けたブースターIC「NBM7100」と「NBM5100」を発表した。これを用いると非充電型リチウムボタン電池の交換間隔を、競合製品に比べ最大10倍も伸ばすことができるという。用途によっては、搭載する電池を単3/単4形からボタン電池へ置き換えることも可能となる。

ブースターICの外観出所:Nexperia ブースターICの外観出所:Nexperia

 「CR2032」や「CR2025」といったボタン電池は、電力密度と保存期間が向上しており、LoRaやSigfox、NB-IoTといったLPWA(低消費電力広域)規格対応の通信機器やウェアラブル機器などに幅広く搭載されている。ただ、リチウムボタン電池は内部抵抗と化学反応速度が比較的高いため、パルス負荷の条件下では使用できる容量が減少するという。

 「NBM7100」と「NBM5100」は、こうした課題に対応するため、2段階の高効率DC-DC変換ステージとインテリジェント学習アルゴリズムを搭載した。例えば、最初の変換ステージでは、電池から容量性蓄電素子に対し、遅いスピードで電力を送る。次のステージで、蓄積された電力を用い、1.8Vから3.6Vまでプログラム可能な高パルスの電流(最大200mA)を出力する。ブースターを用いない一般的なボタン電池に比べ、ピーク出力電流を最大25倍に高めることができる。

 また、インテリジェント学習アルゴリズムによって、負荷パルスのサイクルで消費されるエネルギーを監視。第1段階のDC-DC変換を最適化することで、蓄電用キャパシターの残留電荷量を最小限に抑えることができる。デバイスがスタンバイ状態における消費電流は50nA未満だという。

 NBM7100、NBM5100とも動作温度範囲は−40〜85℃。電池の交換時期を知らせる機能なども備えている。シリアルインタフェースとしては、「NBM7100A」と「NBM5100A」がI2C、「NBM7100B」と「NBM5100B」はSPIを、それぞれ用意した。この他、NBM5100A/Bには、キャパシター電圧バランスピンを搭載した。パッケージはいずれも、外形寸法が2.5×3.5×0.85mmの小型DHVQFN16で供給する。

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