ソシオネクスト、HD-PLC通信用LSIの量産を開始 : 水族館の水温や流量を監視
ソシオネクストは、量産出荷を始めたHD-PLC通信用LSI「SC1320A」が、札幌市に開業する都市型水族館「AOAO SAPPORO」の高速電力線通信システムに採用されたと発表した。
ソシオネクストは2023年7月、HD-PLC通信用LSI「SC1320A」の量産出荷を同年6月に開始したと発表した。併せて、同製品が札幌市に開業する都市型水族館「AOAO SAPPORO」の高速電力線通信システムに採用されたことも発表した。
SC1320Aの外観 出所:ソシオネクスト
SC1320Aは、パナソニックホールディングスがライセンス提供する、第4世代のHD-PLC規格「IEEE 1901-2020」に準拠した半導体設計用IPコアを採用した。CPUコアは動作周波数が125MHzのArm Cortex-Mを搭載。この他、SPIやUART、Ethernet MAC(RMII)といった汎用I/Oを内蔵した。消費電力は200mWである。
AOAO SAPPOROに導入された高速電力線通信システムは、SC1320A搭載のMMD製HD-PLCアダプターを活用し、MMDがミライト・ワンと共にシステム開発を行った。高速電力線通信を活用し、水族館にいる生き物たちが生きていくための快適な環境(水温や流量など)を提供するLSS(Life Support System)を遠隔で監視するという。
IEEE 1901-2020規格は、1/2および1/4モードが新たに規定されており、マルチホップ技術と組み合わせることで、最大10kmの長距離通信が可能となった。これらの特長を生かし、水族館以外でも、エナジーマネジメントシステムや照明システム、スマートメーター、HVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning)などにおけるシステム管理/制御用途に、高速電力線通信システムを提案していくという。
AOAO SAPPOROのシステムイメージ図 出所:ミライト・ワン他
一般的な中性子源で、半導体ソフトエラー率を評価
量子アプリ共創コンソーシアム(QiSS)で、京都大学大学院情報学研究科の橋本昌宜教授が主導する産学連携のソフトエラー研究グループは、一般の中性子源を用いて、半導体チップの地上ソフトエラー率を評価する方法を開発した。
車載向けディスプレイコントローラICを開発
ソシオネクストは、車載向けのスマートディスプレイコントローラIC「SC1721/SC1722/SC1723シリーズ」を開発し、サンプル出荷を始める。自動車の統合コックピットシステムに向けたICで、機能安全規格「ISO 26262」にも準拠している。
ソシオネクスト、60GHz電波式測距センサーを開発
ソシオネクストは、人の位置や動きを高い精度で検知できる60GHz電波式測距センサー「SC1240シリーズ」を開発した。2022年第2四半期からサンプル品の出荷を始める。
ワイヤレス超音波プローブ用チップセットを開発
ソシオネクストは、ワイヤレス超音波プローブ向けに、2種類の専用LSIからなるチップセット「viewphii64」を開発した。このチップセットを搭載したワイヤレス超音波プローブも試作した。
第4世代HD-PLC準拠の電力線通信モジュール試作
シキノハイテックとソシオネクストは、電力線通信技術「HD-PLC」の第4世代規格「IEEE 1901-2020」に準拠した電力線通信モジュール「P-TMFSU-041」を試作し、その動作を確認した。2022年度の商品化を目指す。
ZETA通信を利用したクラウドタグ向けLSIを開発
ソシオネクストと英国ZiFiSenseおよび、テクサーの3社は、ZETA通信規格を利用するクラウドタグ「ZETag」に向けたLSI「SC1330」を開発した。次世代規格「Advanced M-FSK」に対応している。
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