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12ビットオシロで高速/低速信号を測定プロトコルアナライザーとも連携

テレダイン・レクロイは、12ビット分解能のオシロスコープ新製品「WaveMaster 8000HD」を発表した。最新通信規格の物理層信号の検証/デバッグに向けたもの。高速信号と低速信号を1台で計測できるほか、プロトコルアナライザーとも連携可能で、開発期間を短縮できるという。

» 2023年09月21日 10時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 テレダイン・レクロイは2023年9月6日、12ビット分解能のオシロスコープ新製品「WaveMaster 8000HD」を発表した。

 WaveMaster 8000HDはPCI Express 6.0(PCIe 6.0)やUSB4 Version 2.0といった最新通信規格の物理層信号の検証/デバッグに向けて開発したものだ。各通信規格の高速化が進んでいることから、最大帯域幅65GHzと広帯域の測定に対応している。新通信規格で採用されるPAM3/PAM4といったマルチレベルのパルス振幅変調(PAM)信号の評価に対応するため、電圧レベル測定精度の高い12ビットのA-Dコンバーターを採用。テレダイン・レクロイは「このクラスのオシロスコープでは他社を含めて最も高分解能」だとする。

 最大サンプリングレートは320Gサンプル/秒。波形メモリは各チャンネル最大8Gpts。シリアルデータ解析ソフトウェア「SDA Expert」およびWaveMaster 8000HDと解析ソフトウェアとのバンドルモデル「SDA8000HD」も同時に発表した。

テレダイン・レクロイの新製品「WaveMaster 8000HD」 テレダイン・レクロイの新製品「WaveMaster 8000HD」[クリックで拡大] 出所:テレダイン・レクロイ

「低速信号用のもう1台」が不要に

 同製品の大きな特徴は、低速信号用の入力ポートを搭載し、高速信号と低速信号の評価を1台で行えることだ。最新通信規格を採用する機器の開発では超高速信号の評価も重要だが、デバッグのためには超高速信号ラインの制御を行う低速信号の解析も含めた総合評価が必須になる。従来の広帯域オシロスコープは高速信号の評価に特化しているため、開発の後半の段階になると低速信号の評価用に別のオシロスコープを用意する必要があった。WaveMaster 8000HDを用いることで、高速信号/低速信号の評価を1台で完了できるという。

 プロトコルアナライザーと連携できる解析オプションが用意されている点も特徴だ。電子機器の開発にはオシロスコープで測定できる物理層信号の評価だけでなく、コマンドやデータを扱うプロトコル層の検証も必要で、プロトコルアナライザーが用いられる。しかし、プロトコルアナライザー上でエラーが出た際にも、プログラムに問題があるのか物理的特性に問題があるのか特定できない場合があるという。WaveMaster 8000HDとプロトコルアナライザーを連携させることで、エラーの原因がどこにあるかを迅速に特定し対処できるようになり、開発期間を短縮できるという。

 「解析オプションを使用することでデバッグを簡単に進められる。プロトコルアナライザーに強いテレダイン・レクロイならではのユニークな特徴だ」(同社)

従来の広帯域オシロスコープの対応範囲WaveMaster 8000HDの対応範囲 左=従来の広帯域オシロスコープの対応範囲/右=WaveMaster 8000HDの対応範囲[クリックで拡大] 出所:テレダイン・レクロイ

 テレダイン・レクロイはWaveMaster 8000HDの具体的な市場シェアや売り上げの目標は明らかにしていないが、「既存の製品をしのぐような性能で高速シリアル通信市場に入っていこうという狙いだ」(同社)とした。価格は5226万円(帯域幅20GHzモデル)から。

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