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» 2023年10月26日 13時30分 公開

必要な部分だけ「回路を印刷」、FPCの独自製法「CEATEC AWARD 2023」経済産業大臣賞

エレファンテックは「CEATEC 2023」にて、独自手法「ピュアアディティブ法」で製造したフレキシブルプリント回路基板「P-Flex」を展示した。同手法は、金属インクジェット印刷技術を用いて基板上に回路形成することで、資源の使用量を大幅に抑えることができる技術だ。P-Flexは「CEATEC AWARD 2023」にて、経済産業大臣賞を受賞した。

[浅井涼EE Times Japan]

 エレファンテックは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)にて、独自手法「ピュアアディティブ法」で製造したフレキシブルプリント回路基板「P-Flex」を展示した。同手法は、金属インクジェット印刷技術を用いて基板上に回路形成することで、資源の使用量を大幅に抑えることができる技術だ。P-Flexは「CEATEC AWARD 2023」にて、経済産業大臣賞を受賞した。

エレファンテックが独自手法で製造したフレキシブルプリント回路基板「P-Flex」 エレファンテックが独自手法で製造したフレキシブルプリント回路基板「P-Flex」[クリックで拡大]

 一般的なフレキシブルプリント回路基板の製造方法は、PI(ポリイミド)基材上の全面に銅箔と感光材料をラミネートしてから露光、現像、エッチングによって不要な部分を溶解し廃棄することで、必要な部分にだけ銅を残し、所望のパターンを得るというものだ。この方法ではパターンを形成しない部分も含めた全面に銅箔や感光材料をラミネートするため材料の使用量が多くなるほか、不要な部分を取り除くために大量の水を用いた洗浄を行わなければならない。また、工数も多いことから、製造リードタイムも長い。

 一方、エレファンテックが開発したピュアアディティブ法では、インクジェットプリンタを用いてPI基材に銅ナノインクを印刷した後、無電解めっきで銅を成長させることで回路を形成する。初めから必要な部分にのみ配線を形成するため、材料や水の使用量を大幅に削減できる。従来の製造方法と比較すると、銅の使用量は70%、CO2の排出量は75%、水の消費量は95%削減できるという。製造プロセスがシンプルになるため、リードタイムの短縮にもつながる。

従来の製造手法とエレファンテックのピュアアディティブ法の比較 従来の製造手法とエレファンテックのピュアアディティブ法の比較[クリックで拡大] 出所:エレファンテック
ピュアアディティブ法による資源の削減効果 ピュアアディティブ法による資源の削減効果[クリックで拡大] 出所:エレファンテック

 インクジェットプリンタで金属を印刷するという試み自体は、「プリンタの大手メーカーが数十年前に行っていたが、実現に至らなかった」(ブース担当者)という。近年になって金属をインク状にする技術が開発されたり、プリンタの制御技術が高度化したりと技術開発が進んだことで、基材上へ回路を印刷するピュアアディティブ法が実現した。

 現在ピュアアディティブ法で製造できるのは片面基板のみで、最小パターン幅/間隔はいずれも100μm。「両面基板、多層基板の製造やより細かい配線の形成が実現するよう研究開発中」(ブース担当者)だという。

 エレファンテックのブース担当者は「この技術を自社だけで独占するつもりは全くなく、『環境に優しいモノづくり』としてピュアアディティブ法を標準的な工法にすることが目標だ」と説明。将来的にはP-Flex自体の販売にとどまらず、製造手法や製造機械の販売も目指すとしている。

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