オムロンは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日/パシフィコ横浜)に出展し、同社の産業用PC「NYBシリーズ」の新製品として「第11世代インテルCore」プロセッサを搭載した産業用PCや、パートナー企業が開発したソフトウェアを展示した。
オムロンは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日/パシフィコ横浜)に出展し、同社の産業用PC「NYBシリーズ」の新製品として「第11世代インテルCore」プロセッサを搭載した産業用PCを展示した。
同社担当者は「産業用PCは、民生向けよりも信頼性や安定性が求められるため、インダストリアルグレードのCPUを採用している。インダストリアルグレードのCPUは、『第8/9/10世代インテルCore』プロセッサにはなかったため、第11世代インテルCoreプロセッサが最先端だ」と説明した。
第11世代インテルCore搭載のIPCは、「第7世代インテルCore」プロセッサ搭載の同社既存品(前世代)と比較して、CPU性能が50〜90%向上した。OSは「Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC」を搭載したことで仮想化に対応した他、通信規格は2.5GbE(2.5ギガビットイーサネット)に、メモリはDDR4-3200に対応する。
また、筐体の基本形状はそのままに、全てのインタフェースを前面に搭載した。これにより、ケーブルが占有する面積を削減できる他、ケーブルのもつれやねじれによって発生するメンテナンス工数も減らすことができる。その他、CPUの発熱対策として、筐体全体を冷却できるように筐体の構造や冷却ファンの位置を工夫しているという。
同社は、サードパーティーとの協同プロモーション「Best Match」として、同社のIPCで活用できるソフトウェアも多数展示した。
オムロンの担当者は「今回のブースでは、『ソフトウェア・ドリブン』をテーマに掲げている。IPCのハード面では、技術進歩に後れを取ることなく対応していけるという強みがあるものの、規格がある程度決まっているため他社との差別化が難しい。顧客に合わせて、パートナー企業が開発したソフトウェアも一緒に提供することで、最適な提案ができる体制を整えている」と語った。
組み込みソフトウェアの開発/販売を行うユビキタスAIは、同社が国内代理店を務めている米国のNeuralaが開発したAI(人工知能)自動外観検査システム用のソフトウェア「VIA(ヴィア:Vision Inspection Automation)」を展示した。VIAは、数枚の画像データからモデルの学習が可能だ。GPUを使用せず、CPUのみで学習や物体の立体認識/検査ができるため、AIの導入コスト削減に貢献する。同社の担当者は「VIAは、簡単に外観検査プロセスを自動化できるため、AIを使ってみたいという企業に向いている」とコメントした。
会場では、複数のボタンを設置したベルトコンベアを動作させて、その中から破損しているボタンを認識するデモが展示された。
ユビキタスAIの担当者は、パートナー企業視点でのオムロンの強みについて「一口に『IPC』や『AI』と言っても、顧客によって求める機能や条件が異なる。オムロンは、目的意識を持って製品開発やパートナー企業との連携を行っている印象だ。顧客の要望に応じて、幅広くソリューションの提案ができることがオムロンの強みだと感じている」と語った。
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