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回路形成済みウエハーの状態でダイをパッケージするWL-CSP福田昭のデバイス通信(434) 2022年度版実装技術ロードマップ(58)(1/2 ページ)

今回は第3章第3節第2項(3.3.2)「ウェハレベルパッケージ(WLP)、パネルレベルパッケージ(PLP)、部品内蔵基板」の概要をご説明する。

» 2023年12月06日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

超大型基板(ウエハー)で多数のパッケージを一括して作成

 電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。

 本コラムの前回から、第3章「電子デバイスパッケージ」の第3節(3.3)「各種パッケージ技術動向」を紹介し始めた。今回は第3章第3節第2項(3.3.2)「ウェハレベルパッケージ(WLP)、パネルレベルパッケージ(PLP)、部品内蔵基板」の概要をご説明する。

第3章「電子デバイスパッケージ」の主な目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)から筆者がまとめたもの 第3章「電子デバイスパッケージ」の主な目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)から筆者がまとめたもの[クリックで拡大]

 「3.3.2 ウェハレベルパッケージ(WLP)、パネルレベルパッケージ(PLP)、部品内蔵基板」は以下の2つの項目によって構成される。「3.3.2.1 WL-CSP(Wafer Level-Chip Size Package)」と「3.3.2.2 FO-WLP(Fan-Out Wafer Level Package)、FO-PLP(Fan-Out Panel Level Package)、部品内蔵基板」である。

第3章第3節(3.3)「各種パッケージ技術動向」の主な目次 第3章第3節(3.3)「各種パッケージ技術動向」の主な目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)から筆者がまとめたもの[クリックで拡大]

シリコンダイとほぼ同じ大きさのパッケージをウエハー処理で作る

 WL-CSP(Wafer Level-Chip Size Package)は、回路を形成済みのウエハーにそのままパッケージとしての処理を加え、最後に個々のパッケージに切り離したもの。ウエハーの一括処理によって数多くのパッケージを作成するので理論的には製造コストが低い。そして大きさはシリコンダイとほぼ等しく、厚みはシリコンダイとほぼ変わらない。究極の小型薄型パッケージといえる。

WL-CSP(Wafer Level-Chip Size Package)の製造工程。最後に個々のダイを切り離す(個片化)の手前までは、ウエハープロセスで作成する[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

 WL-CSPの製造工程を簡単に説明すると、以下のようになる。ウエハー状態のシリコンダイ表面(回路側)に誘電体層(通常はポリイミド(PI)あるいはポリベンゾオキサゾール(PBO))と再配線層(通常は銅配線)を形成する。再配線層(RDL)は1層〜3層である。それから外部端子となるはんだボール(通常は鉛フリーのSAC305はんだボール)を載せてRDLの配線とつなげる。そして所望の厚みにまでウエハーの裏面を研削する。最後にダイシングによって個々のパッケージを切り離す。

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