瞬停などの電源遮断対策としては、GBDriverの耐電源遮断アルゴリズムに加え、DRAMレスによって高い電源遮断耐性を実現している。一般的なSSDでは転送スピードを高めるため、PCIe経由で転送されたデータをDRAMに一時保存してからNANDに書き込むケースが多いが、DRAM上にデータがある時点で電源が遮断された場合、データが失われることになる。今回の製品では、DRAMを搭載せず、ホストからのデータを直接NANDに転送。「突然の電源断によるDRAMのデータ消失が原因の、データ破損の可能性はない」という。
さらに、新規設計の電源バックアップ回路を搭載したことで、システム側での電源遮断対策を大幅に軽減している。具体的には、モジュールに、電源遮断対応のためのバックアップ用コンデンサーを搭載していて、逆流防止素子および電源切り替え回路と組み合わせることで、電源遮断があった場合も、バックアップ用コンデンサーによって電圧を保持し、NANDの書き込み動作を正常に完了させられるという。
さらに、GX1では、3D NAND単体で使用した場合の高いデータエラー率をカバーするため、強力なエラー訂正機能(LDPC:Low Density Parity Check)を搭載したほか、従来シリーズでも好評だったというオートリフレッシュ機能も搭載(下図)、データ信頼性を向上している。
このほか、ファームウェア改ざん防止機能やなりすまし防止、ランサムウェアなどのウイルス対策が可能なオリジナルセキュリティ機能など、NANDに記録されたデータの改ざんや漏えいを防ぐ各種機能を備えている。また、3D NANDは2D NANDに比べて温度による影響を受けやすいため、温度センサーを搭載。ストレージ使用中の温度状況を監視し、設定以上の高温になった場合には自動的にSSDのアクセス速度を落とすことも可能となっている。
なお、SNP1Aシリーズは、使用用途に合わせ、疑似SLCモードの製品(20G〜740Gバイト)と、TLCモードの製品(60G〜1920Gバイト)の2種類を提供予定。シリーズ全体で月産1万個を予定している。
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