富士フイルムは、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリア(FFMT九州、熊本・菊陽町)で、半導体製造プロセスに用いられる「CMPスラリー」の製造を始めたと発表した。同社は米国や韓国、台湾でCMPスリラーを製造しているが、国内拠点での生産は初めてとなる。
富士フイルムは2024年1月、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリア(FFMT九州、熊本・菊陽町)で、半導体製造プロセスに用いられる「CMPスラリー」の製造を始めたと発表した。富士フイルムが2022年9月に新設を発表した施設である。同社は米国や韓国、台湾でCMPスリラーを製造しているが、国内拠点での生産は初めてとなる。
CMPスラリーは、半導体表面を均一に平たん化するために用いる研磨剤である。これまでは海外の3拠点で製造し、グローバルに供給してきた。半導体デバイスは製造プロセスの微細化によって高集積化や高機能化が進む。これに伴い、ウエハーもさらなる薄型化や平たん化が求められている。こうした中で同社は、より高品質で高性能なCMPスラリーを、安定的に供給するため、国内に製造拠点を設けて対応していくことにした。
今回は、電子材料事業の中核会社である「富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)」が、ディスプレイ材料の生産拠点であるFFMT九州の工場内に、CMPスラリーを生産するための最新設備と検査機器を導入した。総投資額は約20億円。
なお、FFMT九州ではこれとは別に、イメージセンサー用カラーフィルター材料を生産するための設備も導入する計画で、2025年春の稼働を目指している。
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