次世代パワー半導体については、SiCは順調に進んでいるとする。柴田氏は2024年1月に発表した、GaN半導体メーカーTransphormの買収にも言及。「GaNパワーデバイスは、電源やチャージャー周りでの採用拡大が期待できる。GaNは半導体としての可能性を大いに秘めた楽しみな素材。ようやく手の内に収めることができた。技術をうまく成熟させて、われわれがリーダーシップをとっていけたらと考えている」と語った。
組織再編については、「効果の萌芽が既に見え始めている」と自信を見せる。「これまで自動車向けと産業向けで重複して開発していたものを、まとめて開発していこうという動きが活発になっている。これまでと同じリソース(人材、資金)の投入に対し、期待できるアウトプットは以前よりも大きくなるだろう。その効果が数字として見えるまでにはタイムラグがあるものの、出足としてはよいのではないか」(柴田氏)
柴田氏は「(ことしは)いい年だから、悪い年だから、ということよりも、より長期的な目線で投資を継続していく。2024年下半期に向けて、工場稼働や在庫拡充などを慎重に、かつ慎重になりすぎないように、ブレーキとアクセルを踏み分けながら進めていく」と強調した。なお、ルネサスは2005年3月期以来、約20年ぶりとなる復配の実施を発表。2023年12月期の配当について1株当たり28円の期末配当を予定している。
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